いわき市議会 > 1977-06-16 >
06月16日-02号

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  1. いわき市議会 1977-06-16
    06月16日-02号


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    昭和52年  6月 定例会           昭和52年6月16日 (木曜日)          ---------------議事日程 第2号  昭和52年6月16日(木躍日)午前10時開議日程第1 市政一般に対する質問 --------------------------------本日の開議に付した事件  〔議事日程第2号記載事件のとおり〕 --------------------------------出席議員(46名)1番  菅波庄助君        2番  永井俊正君3番  沼田一之君        4番  大平多太男君5番  斉藤誓之助君       6番  緑川定美君7番  伊東達也君        8番  高萩 充君9番  鹿島清造君        11番  芳賀定雄君12番  木内浩三君        13番  間宮俊彦君14番  矢吹 康君        15番  磯上久美君16番  藁谷勝男君        17番  伊藤正平君18番  久田 正君        19番  鈴木 久君20番  蒲生伸吾君        21番  白土和男君22番  佐川吉平君        23番  木田 裕君24番  柳楽孝作君        25番  渡辺善正君26番  四家啓助君        27番  市橋 武君28番  高木芳郎君        30番  渡辺多重君31番  鈴木正平君        32番  大村哲也君33番  安藤正則君        34番  吉田豊重君35番  多賀重吉君        36番  佐久間 昭君37番  金子松男君        38番  斉藤隆行君39番  三辺 寛君        40番  渡辺 君41番  鈴木 榮君        42番  橋本 勲君43番  星 昭光君        44番  鈴木勝夫君45番  蛭田 仁君        46番  菅波大十一君47番  合津義雄君        48番  小林周喜君欠席議員(2名)10番  菅野留之助君       29番  園部 茂君 --------------------------------説明のため出席した者市長      田畑金光君    助役      橋本 渡君助役      山口恵比古君   収入役     関内栄三君教育委員長   小泉農夫也君   教育長     松本 久君水道事業管理者 永野孝夫君    代表監査委員  田辺保孔君選挙管理委員会        勝沼勝応君    総務部長    作山 優君委員長財務部長    坂本平助君    市民部長    蛭田喜久男君衛生部長    真名田重喜君   福祉厚生部長  嶋崎忠好君農林部長    沢田三男治君   商工水産部長  青沼康裕君企画開発部長  小泉 毅君    土木部長    沢田次男君都市建設部長  古内義光君    副収入役    加瀬正志君消防長     磯貝導雄君    水道局長    内山栄一君教育次長    下山田民部君   総務課長    山田英治君秘書課長    国府田英二 --------------------------------事務局職員出席者                 次長(兼)事務局長    永山 巌君            布田 功君                 総務課長                 主任主査(兼)議事調査課長  舛田良作君            都築幸雄君                 議事係長調査係長    滝 賢一君    議事係主査   松崎清輝君調査係主査   木村普昭君    議事係事務主任 伊藤正敬君議事係事務主任 本郷英明君    調査係事務主任 山口安雄君調査係事務主任 白石武良君 --------------------------------      午前10時4分 開議 ○議長(橋本勲君) これより本日の開議を開きます。本日の議事は、配付の議事日程第2号をもって進めます。 -------------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問藁谷勝男質問 ○議長(橋本勲君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。配付の質問通告表の順により発言を許します。16番藁谷勝男君。 ◆16番(藁谷勝男君) 〔登壇〕(拍手)16番新政会の藁谷勝男であります。通告順に従いまして一般質問を始めたいと思います。 本来であれば、昭和52年度の年間総合予算を議決し、ようやくその執行も軌道に乗り、また多くの条例等を中心とした議案も成立させた3月定例市議会から、わずか2カ月有余、問題なく議会活動を進めていくのが通常でありましょうが、日進月歩の地方自治、とりわけ広域さを誇る当いわき市の市政執行は難問が山積しているわけであります。 なかでも、国際問題となった 200海里水域問題はその直撃をもろに受け、今後どのような対応策を示すかはいわき市にとってきわめて大きな問題となったのであります。これら問題より先に、私は市長の政治姿勢についておただしするわけでありますが、こういった究明前に本問題を取り上げた16番藁谷の心中を市長は十分察し、明快な御答弁を心から期待するものであります。 地方自治法第89条は「普通地方公共団体に議会を置く。」と明記されております。これはいまさら私から申すまでもなく、憲法第93条を受けて普通地方公共団休に議会を置くことを定めた規定であります。言うまでもなく、議会は、普通地方公共団体意思決定機関であって普通地方公共団体の意思は、住民にかわって議会によって決定されるわけであります。しかしこのように意思決定機関であるが、地方公共団体の意思の大小にかかわらず、すべて議会によっで決定されなければならないか、と言うと決してそうではなく、それが内容については私なりに熟知しているつもりであります。かかる前提のもとに、市長は、当然議会の議決を受けて議案を成立させ、住民福祉の向上に努力しなければならないわけでありますが、同法の第 179条は、市長に専決処分権を与えております。すなわち議会において議決すべき事件に関して必要な議決、または決定権が得られない場合において、補充手段として市長に専決処分の権限を認めたものであります。しかしながらこの第 179条の行使は、議会を招集するいとまのないときなど、きわめて限られた要素のうち一つの要素が具備されて初めて行使するものであり、むやみやたらとこれら権限の行使を進めるべきではないのであります。 さらに、その専決処分された議案は、同条第3項の規定により、市長は「次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。」とあるわけであります。もちろんこの専決された報告案件を議会が否決したとしても、専決処分そのものは有効であり、市長は否決されたことによる政治的な責任が残ることになるわけであります。かかる観点から私は、最近の市長の動向は、この権限の行使がきわめて多過ぎる。すなわち議会軽視が余りにも露骨に見受けられるという感を深めているのであります。 翻って、市長は、去る定例議会を3月26日に終了させたあと、3月31日から5月18日までの49日間に何と16件に及ぶ専決処分をしているのであります。それは3日に1回の専決であります。市長は、「住民とともに歩み、住民のための市政」を市政執行の最大のスローガンとしていながら、発言と行動はうらはらな住民軽視の市政と言わねばなりません。去る昭和48年3月の定例市議会においても、本問題を取り上げ、いろいろと論議された経過がありました。市長の一身専属であるこの専決処分は、いかなる法理念のもとに田畑市長はなされているのか、全市民が期侍できる御答弁を強くお願いいたすものであります。 次に、水産行政について、 200海里問題を含めて御質問いたします。 いま、わが国において当面する最重要課題は 200海里問題と、これをめぐる日ソ交渉であるといっても過言ではありません。国連海洋法会議において、 200海里経済水域案「 200海里の資源管轄権は沿岸国に帰属する」というのが提案されまして、その結果を待たずして水産資源についてのみ、カナダ、アメリカ、メキシコ、欧州等の各国が相次いで 200海里漁業専管水域の設定に踏み切り、ソ連もこれに追随して 200海里宣言を行うに至ったことはすでに御承知のことと思います。しかし、アメリカとの間では、アメリカ 200海里水域における漁獲については日米漁業協定が締結され、わが国は漁獲高においておよそ10%の削減で済んだほか、18億円の入漁料を支払うということで妥結を見ました。 しかるに、日ソ間においては3月31日の暫定協定が成立しなかったため、4月1日以降、ソ連 200海里水域内でのわが国北洋漁業は全面禁止となり、本県漁獲高のうち、ソ連水域で占める80%に当たる6万1,500 トンの漁獲高を持ついわき市北洋漁業者に、その火の粉がもろにこうむり、本市の水産業はもろろん、関係企業、水産加工業等も大なる打撃を受けました。しかし、4月下旬、本市北洋船は母船式34隻、中部流し網4隻の休漁船と乗組員約850 名を残し、後ろ髪の引かれる心情にて出港、現在操業のことはいまさら申すまでもありません。市は、一日も早く、いわき市 200海里漁業専管水域対策協議会を設置し、関係当面の生活対策のつなぎ資金の貸し付けを行い、中央機関に6項目、10項目と2回にわたり要望をいたしておることは時宜を得た対策と思いながらも、国を挙げて水産業の見直しに入っておる現況にあって、市も当然県内水産業の92%を占める、市の地場産業の今後の対応策を考えるべきと思うのであります。 国は今回、 200海里問題に関連して、漁業法の抜本的改正減船補償制度の創設、水産省の設置等の構想を打ち出されており、また現在沿岸漁場整備法に基づき、沿岸漁場整備計画を昭和51年から7カ年計画で魚礁設置事業 750億、増養殖事業 1,000億、沿岸保安事業 100億、予備費 150億と、 2,000億を投じて計画を進めております。これらを踏まえながら次の点をおただしいたします。 2回にわたる16項目の中央機関への要望のなかで、市サイドで抜本的にできるものはないか。また関連事業に対し、何らかの救済を考えているかどうか、お伺いいたします。きのうも漁業大会において示されていると思いますが、現在死守している小さな漁場が漁場再編の名目で奪われる日がくるかもしれないと不安を持つ漁民に対し、何らから対応策を講ずべきと思うがいかがでしょうか。 いわき市 200海里専管水域対策協議会は、北洋漁業のみ限定されるものではないと思います。恒久的に存続すべきと思うがどうか。 水産港湾課が昭和51年の機構改革で、3係から2係になっております。現況からみれば元に戻すか、あるいは水産課独自の新設により強化を図る必要があると思いますがどうでしょう。 水産加工業者に対する技術開発、特に 200海里問題で締め出されるすり身加工場についても問題は、最終的には残滓処理であります。しかも、わが国内における魚介類の消費量を見ると食用に73%、純食用として胃袋に入るのはその半分程度で、残りは廃棄されると言われております。非食用としましては、養殖の漁業用の生えさ、畜産用の配合飼料、果樹配合肥料に27%となっております。これらを含めた加工業振興のためにも処理工場、あるいはフィッシュミール工場の設置指導をすベきと思うが、考えはないのか。 自船の水揚げ量は減収を予想される回船誘致の対策計画はなされておるのか。--以上 200海里の諸問題について、冒頭申し上げたとおり国政はもちろん、市地場産業の危機であるだけに市長の基本的、かつ、積極的なお考えをおただしした次第であります。 次に、中央卸売市場についてお伺いいたします。 市民の皆さんの台所に新鮮にして安く、しかも迅速にお届けできる青果物、生鮮魚介を取り扱う中央卸売市場がいわき市にできるというキャッチフレーズのもとに、当時の流通対策事業として進められておりました本市場も、去る3月31日にその竣工を見たわけであります。経済状態は変わり、安くという言葉はなくしても、新鮮さを残していよいよ9月12日に供用開設がなされようとしております。全市民は、当初計画のとおり4月開設を期待しておりましたが、行政側の一方的な都合により6月となり、それが今度は9月と打ち出されました。しかしながら、4月から9月と言えは実は半年のおくれであります。180日という長期に及んだそのおくれの原因は何であったのか、その理由をまず明確にお聞きしたいものであります。 ―般通念として、事業あるいは建築を起こす際、工事の進行がいろいろな事情からおくれない限り新築の家は引っ越しもするし、工場なら操業開始する。それが基本的な考えでありましょう。それがため、いわき市の中央卸売市場は3月31日の工事完了と当初からの計画であったがために、市場開設者である田畑市長が4月オープンを打ち出し、あわせて条例等も議会に提案し可決もされたわけであります。それが何でおくれておるのか不思議でならないのであります。民間では事業計画がつまずき、工場の操業が半年もおくれたとなれば、倒産か夜逃げでもしなければならないのが現状であります。 現在の市場職員の仕事は、市場開設認可の申請、新卸売場の営業権譲渡届あるいは売買参加者、買出人の公募など、かつての市場準備室の事務処理の延長であろうと思うのであります。市場歳入の予算を見ますと、その使用料は市場使用料 6,449万8,000 円、施設使用料1億7,398 万 6,000円、計2億 3,848万 4,000円であります。半年の未収となると1億 1,920万円の減収、また青果・鮮魚の取り扱い目標額 260億円と聞いております。これが手数料は 1,000分の3とすると 7,200円、半年の未収となると 3,100万円、合わせて1億 5,100万円が減収となり、この金額は歳入の落ち込みで、すなわち開設前の欠損金であろうと思うのであります。使用区分は別としましても、この金額は昭和52年度の市予算、あるいは計画から二、三点捨い上げ例を挙げると、舗装整備なら8メートル幅員で 3.5キロメートル、体育館・プールならあわせて1個ずつ、消防施設整備5カ年計画なら1年半でできることになり、この辺がいわゆる税金のむだ遣いとか、あるいは親方日の丸の見本と思うのであります。 市長は、3月定例議会の提案説明のなかで、次のようなことを言っております。市職員は、市民全体の奉仕者であることを自覚し、市民の立場に立脚して親切で明るく、そして市民の信頼を高めつつ能率的な行政を推進しなければならないと考え、「親切で清潔、そして能率的な行政」とうたい上げておるが、こと卸売市場について見るなら、その真を問われる行政と思うのでありますが、市長は発言と行動をどのように考えているのか、おただししたいのであります。 また、今後の管理体制として市は、いろいろと公社組織を採用してその運営に当たろうとしておるが、市場についても管理公社をつくり、このようにきわめて多くの財源を必要とする施設を公社体制とする意思はないのか。 さらには、荷受会社の組織に加入しなかった地方卸売市場の青果会社(四倉・磐城・勿来)の5社についての市の考えはどうなのか。この5社が加入しないとすれば、中央市場法に触れないものか、この辺を明確にお伺いいたします。 また、買出人の登録制は的を得た制度と思われるが、 200海里問題から一般消費者の出入りも相当あるものと想像されるのでありますが、それがため混乱を招かぬよう、一日も早く売買等を広くPRしておく必要等あると思うのでありますが、この点どのように考えておるか、お伺いいたします。 次に、土木行政についておただしいたします。 またかと思われるような質問でありますが、それほどにいわき市の道路行政のなかで、一番話題になっておりまず鹿島街道についておただしいたしたいのであります。 本議場においては数限りなく取り上げており、その都度確たる回答を得ないままきょうに至っているのでありますが、今回の国道6号と鹿島街道の同じ時期の改修工事では、この道路の混雑はおびただしいものでありました。このようにちょっとした工事でも混乱したり渋滞は茶飯事のようであります。しかし市報によれば、ことしの10月に一部着工の計画がなされたようだが、その計画内容をお聞かせ願いたいものであります。さらに計画の具体的内容については、一刻も早く広く知らす必要があると思うがどうでしょう。 県は51年度、小名浜を起点とする有料道路敷設計画で 2,000万円の調査費を計上し、すでに調査も完了したと聞いているが、市当局はこの計画を承知しているのかどうか。とすればその内容についてお聞かせ願いたいものであります。 次に、船引場-舘の腰線であるが、今回示された国県要望には見当たらなかったようだが、何らかの計画変更で進めておるのか、計画があればお示し願いたいものであります。また、南富岡-橋本線常磐バイパスとの連係による改良計画についてお示し願います。 さらに、教育行政についてお聞かせ願います。 いわき市の市民スポーツは、各地区みずからの盛り上がりにより、他市を席巻するような振興ぶりであります。市はこれにこたえるべくスポーツ振興法に基づき「いわき市スポーツ振興審議会」を設置されたわけであります。これが運営に当たっては、委員の構成をして一日も早く出発すべきと思うがどうでありましょう。 また、当会の第2条を十分活用して、県営体育館建設の早期実現を図るべきと思うがどうなのか。 社会人スポーツのなかでは場所の不足が目立っております。市もいろいろと計画検討されておるようであるが、泉地区や渡辺地区にグラウンドの設置計画はないのかどうか。 市の体育協会に所属する団体のなかにはまことに優秀なものがあります。毎年のように、いずれかのチーム団体が全国の中央大会に出場しております。これらに出場する団体に市は援助する考えはないか。 さらに、市は体力の増強と交通安全を含め、サイクリング道路延べ約50キロメートルにわたり、8コースを指定しておるようでありますが、これが年間の整備計画をはかり、たとえ1キロメートルでも2キロメートルでも舗装し、快適にして安全なサイクリング道賂を計画すべきと思う。以上5点について説明とお答えを願います。 最後に、福祉行政についてお伺いいたします。 市は福祉法に基づく児童・老人・母子あるいは身体障害者等に、その他いろいろと福祉対策に取り組まれておりますが、いまだ手の届かぬところに、悩み続け苦労しつつ生活を続けておる父子家庭が市内に相当数あるやに聞いております。これらの家庭の悩める内容等の例は、その家庭の実情により異なるとしても、生活設計と家庭を守る悩みは共通のものがあると思われます。炊事、洗濯はもちろん、母親がわりまで務めての育児、学校等の連絡の不十分、看病のための休職、私にははかり知れぬ男やもめの苦労は、夫を亡くした婦人に決して劣らないものがあると思われます。 福祉センターの実例によれは、優秀な会社に勤め相当の収入を得ていた方が、看病や保育所への子供の送り迎えのため転職し、苦しい家庭に追い込まれた家庭もあると聞いております。 去る3月23日の新聞記事によりますと、女性の所得税の寡婦控除が認められておるように、男性に対する寡夫控除の新設を盛り込む意向を示したと報じられております。世相は変わりつつと言いながらも、市内において離婚の妻の蒸発がふえるに従って、寡夫--父子家庭がふえる傾向にあると思われます。 過日、市福祉センターの指導による父子家庭の懇談会があり、4月10日父子福祉会が結成されました。しかし、福祉センターも、福祉会もこれら家庭の実態、家庭の数の把握には相当苦慮されておるやに聞いております。市は行政サイドにおいて、せめてこれら家庭の実態を把握し、それら家庭に温かい手を差し伸べる政策を考えるべきと思うがどうか、お伺いするものであります。 以上をもって16番藁谷勝男質問を終わります。よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(橋本勲君) 市長。 ◎市長(田畑金光君) 〔登壇〕藁谷議員の質問にお答えいたします。 第1は、専決処分に関連しての市長の政治姿勢観、この問題についてでございました。専決処分については、地方自治法第 179条第1項の規定に基づいて、お話しがありましたように一般的には、具体的な事案についてそれぞれ客観的な事情により、市政の円滑な運営上、長がやむ得ないと判断したのみ、これを行うことになっておるわけであります。したがいまして、これら運営については十分留意してまいってきたつもりでございますが、今議会に提案いたしました16案件についてのうち昭和51年度補正予算3件については、起債許可の決定がありましたことに伴い、借り入れ申請事務上必要なためやったわけでございます。また昭和52年度補正予算については、日ソ漁業交渉の長期化による漁業経営に対する危機救済のための緊急融資措置を必要と認めましたのでやったわけであります。また市税条例の一部改正につきましては、3月31日国会において地方税法の一部改正が議決をされ、翌4月1日施行となりましたので、課税事務取り扱い上必要なためやったわけであります。 なお、工事請負契約11件については、就労開始日の指定が4月1日のもの2件--産炭地域開発就労事業でございます。さらに国の方針に基づき市が行う公共事業の早期着工分4件であります。事業の緊急性によるもの5件--こういうような事情で専決処分を行ったわけであります。 今回の予算関係、工事請負契約市税条例改正などの専決処分についてはいま申し上げましたように、いずれも市政の効果的な執行を円滑に進めるためにやったわけでございますが、お話しのようにできるだけ専決処分は少なくする、それが自治法のたてまえからみても望ましいことであるわけでありまして、私といたしましても市議会の意思をくみ、法の趣旨並びに事案に対する客観的な情勢を的確に判断しながら対処してまいりたいと考えておりますので、この点ひとつ御了承を賜りたいと考えるわけであります。 次に、水産行政についてお話しがございました。各般にわたりましての御質問でございましたが、いわき市 200海里漁業専管水域対策協議会を市独自に2月16日設置いたしまして、これまで3回にわたる協議を持ちまして、4月27日、6月6日の2回にわたり国や県に対し強く具体的な措置をとることを要請いたしました。また、5月4日にはいわき市 200海里漁業対策本部を部内に設けまして、中型サケ・マス船20隻に対し1億円の緊急融資措適を決めまして、5月10日にこれを実行したわけであります。国に対しましては、先ほど申し上げましたように幾つかの項目につきまして、今回の異常な事態に即する水産業の壊滅的な打撃でございまするから、立法の面、財源措置等の面について速やかに救済措置を講ずるよう強く要請してまいりましたが、政府におきましても、6月中には政府の方針を決めて、 200海里問題に対する万全の措置を講ずる、こういうことを陳情に対して答えていたわけでございます。したがいまして、市といたしましては今後、国・県の救済措置を見きわめながら、減船を余儀なくされた乗組員就労問題、関連産業救済問題について、市は市の立場でできる限りの努力を払ってまいりたいと考えておるわけであります。したがいまして、いわき市 200海里漁業専管対策協議会は、今後も漁業界の見通しがつくまで存続する方針でございます。 なお、このような異常事態を見た水産業界に対する行政指導が一層強くなってきた時点において、機構の問題等についていろいろお話しがございましたが、昨年の機構改革で漁政係と流通対策係の2係を統合いたしまして、現在は水産係ということにいたしておるわけでありまするが、この統合いたしましたのも、決して水産行政をおろそかにしたためではなくして、むしろ、このことによって行政の効率的・能率的な運営を考えたわけでございまして、市といたしましては、現時点における水産行政の重要性をよく念頭において業務執行体制の万全を図ってまいりたい、こう考えておりますので御了承願いたいと考えております。 なお、残滓処理工場の問題等について御貴重な御意見がございましたが、お話しにございましたようにスケトウの残滓処理につきましては、これまで北転船入港の関係から、主に北海道を中心として東北北部にまたがる地域で処理されてきておるわけであります。52年におけるわが国の漁獲可能なスケソウは、ソ連海域10万トン、アメリカ海域83万 6,000トン及び三陸を中心とした近海もの4万トンが考えられます。また、御存じのように鈴木・イシコフ会談で合意されました、イワシとスケトウのバーター取引が今後は実現するものと見るわけであります。スケトウ船の当市への回船誘致につきましては、国の既存処理工場救済対策として、北海道及び東北北部地域に対する水揚げ指導施策が引き続き取られるものと見るわけでございまして、このような状況をみながらお話しの問題等については臨機応変の措置を講ずるようにしてまいりたい、こう考えておるわけであります。残滓処理工場につきましては、今後の推移をみながら慎重に検討しなければならない問題だ、こう考えておるわけであります。 フィッシュミール工場につきましては、過日の提案理由説明でも申し上げたわけでありまするが、フィッシュミール工場の経済的な効果というものは、今日のような水産業界の危機を見ましたときに、なお一層建設の重要性を感じておるわけでございます。したがいまして、私は予定された建設予定地区の住民の皆さん方の理解をさらに精力的に求めまして、フィッシュミール工場の建設をぜひ実現してまいりたいと考えておりますので、皆さん方の格別の御協力をお願い申し上げる次第であります。 北洋漁業の出漁延期や休漁船の増大に伴う関連産業の影響は非常に深刻な問題を抱えておることは御指摘のとおりでございます。これらの関連業界については、国の措置等がとられておることも御存じのとおりであります。国は、政府系の金触機関を取り扱い機関として、漁業関連中小企業者に対する貸し出しを最優先的に扱うように指導をいたしております。また福島県も、経営安定特別対策資金を優先的に漁業関連中小企業者に向けるような行政指導をやっておるわけであります。また、いわき市と同じように、北洋漁業と密接な関係を持つ八戸市であるとか、塩釜市、石巻市、釧路市等におきましても、独自に緊急融資措置等を講じておるわけであります。したがいまして、私といたしましても、漁業に関連する中小企業者の売掛金及び売り上げ減によって芳しい影響を受けておる中小企業者を対象に、機を失することのないよう金融措置等について前向きに対処する考えでおりますので、御了承賜りたいと考えております。 次に、中央卸売市場についてお尋ねがございました。業務開始がおくれたことについて使用料の収入が減により、市の財政に大きなマイナス要因を抱えたのではないかという御指摘がございましたが、まさに御指摘のとおりであります。なぜ開場がおくれたのかという点でございますが、入場を予定していた卸売業者の、入場するにつきましての条件整備に予想外の時間がかかったというのが1つであります。また、3月議会で議決をいただきました市場条例に基づきまして規則及び要網の作成を進めてまいったわけであります。この規則及び要絡は、今後の市場運営に不可欠なもので細部にわたっておりまして、また監督官庁である農林省と綿密な協議を重ねなければなりません関係上、これに相当な時間がかかったということであります。また、公正取引委員会届出並びに農林大臣への許可申請に必要な条件でありまする、新卸売会社に対する旧卸売会社の営業権譲渡契約の成立がおくれ、膨大な事務量のある申請書添付書類の作成に支障を来したということも、おくれた原因の1つであります。その他、代金決済制度の確立であるとか、売買参加者の募集であるとか、競り人の研修事務であるとか、あるいは登録等の残されておる事務等がまだたくさんございますが、現在これらの事務を精力的に進めておる--こういう状況でございます。 6月12日には 640名にわたる八百屋の集りである「いわき青果協同組合の設立総会」が持たれまして、代行払い制度をとるということがはっきり決定を見たわけであります。また、水産関係につきましても卸・仲卸・売参人の3者構成による生産会社設立の話がいま進行中でございまして、これも今月中にはめどがつくかと思いまするが、やはり利害関係の異なり、またいろいろな商慣習の人が集まっての新しい生産会社設立でございますので、7月にずれ込むようになるかもしれませんが、とにかく中央卸売市場業務開始に向かって卸・仲卸・売参・小売業・付属営業等々万事にわたって、現在の段階では円滑に事務が進んでいると、このことは御報告申し上げると、こう考えておるわけであります。 お話しがありましたように、4月開場を前提としておりましたので、開場がおくれたことにより歳入に不足を生じたことも事実でございまして、今後補正の必要等が起きてくるわけであります。しかし、歳出につきましては極力支出を抑えまして、できるだけ経費の節減に努めておるわけでございます。今回 738万 6,000円の補正予算を計上いたしましたが、これは開場に必要な経費でございますので、この点御了承を賜りたいと考えておるわけであります。 今後の市場運営について管理公社をつくったらどうかというような御趣旨の御質問であったかと思いますが、卸売市場法によりまして市場の運営管理に当たりましては、開設者の責任において公正な取引の指導監督を行わなければなりません。また、開設者の許認可事項が非常に多いわけでございます。したがいまして、開設者である市が、直接、管理運営をいたすことになるわけでありまして、この点管理公社的なものをつくって経営するということは、法のたてまえからできないことでございますので、御了承をお願いしたいと考えておるわけであります。 また、一般市民が自由に市場で物の売買ができるようなことにすべきではないかという御趣旨の御質問であったかと思いまするが、中央卸売の取引は、卸売業者から仲卸業者及び売参人が競り買いし、買出人は仲卸業者から相対買いをすることになりますが、その買出人は大量購入のできない小売商や、大口に消費する飲食店営業者等を対象としておるわけでございまして買出人については市場の混乱を避けるため登録制をとらなければ管理運営上問題があるわけであります。 中央卸売市場では短時間に大量の生鮮食料品を荷さばきすることが必要なのでございまして一般消費者へは、売買参加者または買出人から流れる仕組みになっておるわけでございましてこの点ひとつ御了承を賜りたいと考えております。 なお、残留市場についておただしがございましたが、中央卸売市場開設区域内の地方卸売市場等は、福島県卸売市場整備計画に従いまして中央卸売市場ヘ一本化するととになっておるわけであります。したがいまして、今回、中央卸売市場へ参加できなかった市場の営業期間の更新の許可権限は知事が持っておるわけでございますので、市は今後とも中央卸売市場へ何らかの形で参加できるよう残留市場については、今後行政指導を進めてまいる考えでおります。 次に、土木行政についていろいろ御質問がございましたが、平-磐城線は、お話しにございましたように本市の大動脈道路であります。産業・経済発展のために欠くべからず幹線道路であります。そこで、51年度は、鹿島町船戸から走熊間 1,620メートルの区間について、幅員25メートル、4車線の拡幅事業が認可されまして、このことにつきましては、本年5月の「広報いわき」で周知を図り、本事業推進のため引き続き今後もPRを続けて行こうと考えております。昭和51年度は、御存じのように調査費 2,000万円、用地買収費と補償費として4,500 万円の予算がつきました。これは全部消化しております。 今後の動向でございますが、昭和52年度における事業費は当初予算に、用地買収費及び補償費として1億3,500万円決定され、さらに1億円程度追加される見込みであり、これは鹿島町の久保及び走熊地内の用地買収を行うことになっているわけであります。 今後の問題といたしましては、全区間 7,100メートルの事業が促進されるよう国・県に引き続き強力に陳情していくわけであります。この路線の早期完成を図るため市といたしましても国の道路だから、県の道路だから…というような姿勢ではなくして、いわき市内における道路網の整備でございまするから、市は本年4月土木部に用地対策室を設け、用地取得等について積極的に協力していることは御存じのとおりでございます。 なお、この鹿島街道の道路整備に関連して、県か 2,000万円の調査費をつけたことについて市は承知しておるか、こういうようなお話しでございましたが、よく承知しておるわけであります。 平-小名浜間の道路の整備についてはいま申し上げたように、鹿島街道を4車線に拡幅改良する案と、全然別個に有料道路で平-小名浜間を結ぶ案と、この2つがあるわけでございますが、この2案には一長一短があるわけであります。すなわち、現在の道路拡幅については一般公共事業にて実施される関係上、事業費に一定の限度があり、改良に長い時間かかかるということであります。一方、有料道路にて実施すれば、集中的に事業費を投資できるわけで、短期間に完成するわけでございますが、採算性の問題という点から、また事前調査に相当の年月が必要だ、このようなことがあるわけであります。この有料道路構想については当然のこととして、わがいわき市にも相談が県からあるわけでございまして、平-小名浜間の交通網の整備にとって一番最善な方法は何かをいま十分検討されておるわけであります。その結果、さしあたり拡幅可能な船戸より北側については4車線に拡幅改良をやり、小名浜市街地を含めて船戸より南については有料道路案にて検討していただくような方向で進み、これによって昭和51年度から船戸より北側についての用地買収が始まったというわけであります。 県が考えている有料道路の問題等については、先ほど申し上げました採算性の問題とか、ルートの位置の問題等が種々検討されて、昭和55年度ころには有料道路構想が具体化されるものと見ておるわけであります。 それから船引場-舘の腰線の道路建設問題についてお話しがございましたが、これは全延長 1,850メートルございます。このなかで国の事業認可を受けて昭和50年度から昭和54年度までの5年間で施行する予定区間が 978メートルとなっております。すでに旧江名鉄道敷については先行取得で買収済みでございますが、計画幅員が12メートルとなっており、現在は残りの道路敷分の買収を行っておるわけであります。 今後の見通しといたしましては、各年度の国の事業費ワクの関係から推定いたしますと、用地買収のみで昭和54年ころまでかかる見込みです。それ以降に用地買収を完了した区間の改良工事を施行しなけりゃなりません。さらに、その後新しく事業認可を受ける区間にも莫大な事業費が必要となるわけでございまして、全線改良までには相当な期間を要するものと考えておるわけでございますから、今後も国・県に対し、事業費ワクの拡大のため努力をしてまいるわけで、来年度の国・県要望事項のなかにもこの問題ははっきりうたって、強く要請しておりますので御了承賜りたいと考えておるわけであります。 なお、南富岡-橋本線の改良の問題などいろいろございましたが、この都市計画道路は小名浜市街地と常磐バイパスを接続する重要な幹線であるわけでございます。現在、市道隼人-大原線から常磐バイパスとの接続予定部分までの 1,790メートルの区間について、国の事業認可を受け、昭和49年度から昭和55年度までの7年継続事業としてやっておるわけです。その事業内容としては、橋の長さ 141メートルのニツ橋の架けかえ工事と、常磐バイパスとの取り付け部分の工事及び道路改良工事に分かれておるわけでございますが、まず二ツ橋の架けかえ工事については、工事も順調に進み、本年度は橋げたの製作及び架設を完了する予定でありますので、昭和53年度中には橋が完成します。なお、今回の議会には別途、けたの製作架設の工事請負契約の議案を上程しているわけであります。 また、常磐バイパスとのランプ部分の工事費については、国と市が費用を分担する関係がありますので、昭和51年度は用地を一緒に買収済みでございまして、工事の実施は昭和53年度からの予定となっておるわけでございます。工事の施行は、国が実施し、市は費用の一部を負担する、こうなっております。 バイパス供用開始との関連でございますが、本路線の整備は常磐バイパスの供用開始と間に合うように進めておるわけでございまして、御了承願いたいと思います。 最後に、私に対する質問は福祉行政の問題でございますが、父子家庭についてお話しがございました。昭和47年に社会福祉協議会の調査した概要によりますと、市内に 300世帯の父子家庭があるわけであります。したがって市といたしましても、この調査の必要性を痛感いたしこの実情を正しく把握するために民生委員の協力を得まして、5月と6月の2カ月の期間をもって、父子世帯の原因、家族の状況、職業、所得状況をいま調査しております。7月中には集計結果が判明すると考えております。 父子家庭の福祉施策としては、市独自の施策として父子家庭入学祝金を支給しております。支給額は52年度増額しております。そして父子家庭児童の健全育成と福祉増進について努めておるわけであります。お話しのように父子家庭も、母子家庭同様に家庭的に、また精神的に相当の負担があることもよく理解できるわけであります。 お話しがございましたが、ことし4月に社会福祉協議会の提唱により、父子家庭相互の連携と福祉の向上を目的とした「父子福祉会」が県下に先がけて結成されました。市といたしましては今後、同会等から提起される要望意見等いろいろな問題が出てくると思いますが、これらの問題が出ましたならば十分その御意見、御要望等を含めまして、父子施策の福祉面の充実において努力してまいりたいと考えておりますので、御了承願いたいと思います。 ○議長(橋本勲君) 教育長。 ◎教育長(松本久君) 〔登壇〕いわき市スポーツ審議会等5点の御質問に対しましてお答えいたします。 第1点のスポーツ振興審議会の設置は、長年の懸案でございましたが、本年度設置することになり、目下7月上旬に開催すべく人選等の事務を進めておる次第でございます。 第2点の県営体育館の建設促進につきましては、市民を挙げての長年の願望であり、かねてから県営いわき総合体育館建設期成同盟、いわき市体育協会等におきましても強く要望陳情を重ねてまいったところでございます。市といたしましても、市長を先頭に過般の6月10日、国県要望事業の最重点事業といたしまして松平知事並びに関係機関に早期実現を要望してまいってきております。今後は、当市総合運動公園の整備計画事業推進のためスポーツ振興審議会に諮りまして、本市スポーツ振興のための基盤整備に努力している考えであります。 第3点の市民運動場の設置についてでありますが、市民のスポーツ、レクリエーションは年々盛んになってまいりまして、校庭開放等を行いましても満足を得られない現況でございます。目下、長期教育計画に基づく市民運動場、体育館等スポーツ施設の整備に努力しているところでございますが、52年度は四倉市民運動場を建設しております。 おただしの渡辺、泉地区の市民運動場建設についての問題でございますが、磐城地区には50年オープンの小名浜野球場がありますが、野球や各種球技等の多目的に利用できる運動場を未設置地区に対しまして建設計画を進めておる段階でありますので、当地区につきましての運動場建設の御要望については、立地条件等を考慮いたしまして、スポーツ振興審議会等に諮りまして今後検討させていただきたいと考えます。 第4点は、全国大会出場チームヘの援助でございますが、現在はバレーボールやソフトボール等の全国大会出場時における市補助は行っておりません。ただし、国体出場選手、都市対抗野球、高校野球全国大会につきましては、従来より援助を行ってまいりました。全国大会に出場いたします主催団体の経費負担等の内容も格差がある模様でございますので、今後は社会体育振興の意味からも、一定の補助基準を設けまして助成できるよう検討してまいる考えであります。 第5点、サイクリングロードの整備についてでありますが、市が現在計画中の8コースはすべて河川堤防敷に設定しておりますが、現在整備可能コースは、河川改修の一部終了した藤原川コース( 3.5キロメートル)、矢田川コース( 3.7キロメートル)の2コースでございます。しかし、それぞれの単独コースとしては距離が余りにも短いため、この2コースを一括いたしまして1コースとする考えを持っております。なお、整備に要する経費が多額のために、国やその他の補助事業として舗装整備を図るべく、現在関係機関等々と協議検討中でございます。 このコースは一部に生活道路がありますので、最終的にサイクリングロードとして指定いたしますと生活道路と併用ができなくなりますので、地元の方々とも協議中でございます。残る6コースは、県の河川改修工事完了後に、その他のサイクリング可能コースにつきましては、これらを含めまして今後の整備計画をもって進めてまいる考えでございますので御了承願います。 ○議長(橋本勲君) 16番藁谷勝男君。 ◆16番(藁谷勝男君) 中央卸売市場については、私なりに感じたことと、市長との食い違いはあるようでございますが、やはり減収について、これから9月にできる段階においてそれ以上は減収がないと思いながらも、そうした減収というのは、これからの運営のなかですべきではないかというようなことを、ひとつ要望します。 それから、第4点の登録制の問題につきましては、私は決して消費者を言っている対象でなかったと思います。登録をしておるのはいいのですが、これから一般消費者が入ってきたときに売買等において混乱を来さないよう、中央卸売市場と小売市場というのをはき違えている消費者もあるやに考えておるので、この辺をひとつ早く教えてやったらいいじゃないかという質問でございますので、この点も御了解いただきたいということでございます。 以上を要望しながら私の質問を終わります。 ○議長(橋本勲君) ここで午前11時15分まで休憩いたします。             午前11時 7分 休憩            -------------             午前11時27分 開議 △木内浩三君 質問 ○議長(橋本勲君) 休憩前に引き続き会議を開きます。12番木内浩三君。 ◆12番(木内浩三君) 〔登壇〕(拍手)同志会の木内でございます。ただいまから通告順に従いまして一般質問をさせていただきます。市当局の御見解を賜りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 あらかじめお断り申し上げますが、市政一般のなかで事業所税の問題について取り上げておりますが、財政との関連もありますので、財政問題の末尾に取り上げて質問をさせていただきますことを御了承願います。 景気回復のため、政府は、輪出減少、輪入増加につながる外国為替市場での円高相場の放置景気拡大のため公定歩合を初めとする長期金利の引き下げ、公共事業の上期契約率を史上最高の73%等諸施策を講じておりますが、経済の動向は依然として混迷を続け、不況色はますます長期化の様相を呈しております。地方自治体も、こうした経済環境のもと、厳しい財政事情を余儀なくされているところであります。こうした経済情勢下のもと、市民福祉優先の諸施策を推進されております市当局の御努力に対しまして、心から敬意を表するものであります。 私は、財政遅営に当たっては、厳しい経済の環境であればあるほど、財政の健全化のため特に意を用いなければならないと考えます。したがいまして、こうした観点から財政問題について御質問をいたします。 今日の地方自治体の財政の危機は、ひとりいわき市のみならず地方自治体共通の課題ではありますが、わがいわき市の場合、昭和51年度において形式収支3億 4,000万円の黒字決算を維持することができたこととは言いながら、内容的には前年度からの操越金によってであり、単年度収支では5億 6,900万円の赤字決算となっているのが実情であります。 そこで私は、次の2点について質問いたします。その第1点は、昭和51年度の収支決算の見通しであります。 市長は、本定例会の市長提案説明のなかで、「一般会計について、現在集計整理中ではあるが、前年度に引き続いて黒字決算となる見込みである」との説明をなされましたけれども、単年度における決算収支について、その実態についてお伺いいたしたいと思います。 第2点は、昭和51年度決算に関連し、今後の財政運営上の対策についてお伺いをいたします。 財政構造上の弾力性を分析する指数といたしまして、経常収支比率があり、都市における経常収支比率は75%以下が望ましいとされています。 近年、全国的な傾向としてこの経常収支比率が上昇し、対財政の健全性が損なわれつつあると言われているが、本市の状况は、昭和47年78.3%を境に急速に上昇し、昭和50年度において89.2%と増加の傾向を示しております。このことは財政硬直化現象を如実にあらわしているものであります。すなわち、本来、行政水準向上のための投資的経費に充当される一般財源が、義務的経費並びに経常経費に食われる結果となっており、今後の財政運営を考慮するとき看過することができないところであります。 一方、市民の市政に対する要望は多種多様に及んでおり、また、その期待感は大なるものがあります。したがって、限られた財源をもってこれらの要望にこたえ、さらに市民福祉の向上を図るためには、予算の効率的な執行を図ることか必要であると考えます。しかしながら、経常収支の状況を見るとき、物件費、維持補修費等の経常経費が横ばいないし漸増であるのに対し、義務的経費、すなわち人件費、扶助費、公債費等は年々上昇しております。財政硬直化は義務的経費の増加に起因しているのが実態でありましょう。 かかる情勢を踏まえ、市当局は当初予算等の編成に当たりまして、経常経費は前年並み、行政経費については5%増、政策経費については10%増のワクを設定し、極力、経常経費の節減合理化を図り、市民生活に密着するところの方針を打ち出しております。しかしなから義務的経費については、現下の経済情勢から扶助費、公債費はやむを得ないとしても、人件費については増加が著しいものがあります。すなわち、経常収支比率の昭和50年度における人件費は58.1%でありまして、昭和51年度は恐らく60%台に到達するものと思います。また、これを予算額で比較すると、昭和52年度人件費の前年当初予算比較増13億 7,427万円であります。増加率では12.8%となっており、一般会計予算額の対前年比較、増加額11億4,128 万円をしのぐものがあります。 このような事情を考えたとき、財政運営上、人件費の問題については避けて通るわけには行かないのが実態でありましょう。人件費増高問題についていかに対処すべきことかということで、市当局としては本年度予算編成に当たり、公共施設管理体制の見直しを図るべきであるとして積極的な方針を打ち出し、新規施設に対応するための観光公社の設立による業務の委託等努力の跡がうかがわれますが、さらに今後の立地条件からみて、内郷診療所等の見直しを含めた対応策についてお伺いをしたいと思います。 次に、事業所税についてお伺いをいたします。 事業所税は皆さんも御承知のように、都市環境整備改善に要する財源確保のため創設され、地方税法の改正により当いわき市も、昨年10月から課税適用団体として指定されたところでありますが、まず第1点として、事業所税適用後における本市の課税の実態について質問申し上げたいのであります。 本税については昭和51年度において 5,000万円を、さらに本年度は5億円を予算に計上しており、本年度分については年度開始直後であり、いまだ未整理な点があろうかと考えられますが、課税及び課税対象事業所数等の実態など、現時点で把握可能の状況についてお伺いをいたします。 第2点といたしましては、商工会議所等24団体が対策協議会を結成したことは皆さんも御承知のとおりであります。いわき市を事業所課税団体から除外してほしい、と国に働きかけております。その運動のなかから、市の考え方いかんにより課税団体から適用除外も可能であるとの甘い観測も流れているやに聞こえているが、市当局はこれからの点を含めてどのように受けとめ対応していくのか、見解を承りたい。 前にも申し上げたごとく、昨今の経済情勢は依然として低迷し、各企業とも事業経営は容易ならざる情勢にあります。このような実情から市長は、事業所税課税団体の置かれている立場を理解し、十分なるコンセンサスを得られるよう努めるべきことはいまさら申し上げるまでもないことでありますが、このような運動がなされているなかで、市もこれに対応するため事業所とのコミュニケーションを積極的に図る必要があると考えます。 そこで第3点として、納税者であるところの事業所税について、現在までどのようなコミュニケーションを持ち、また今後どのように対応しようとするのか御見解を賜りたいと思います。 次に、 200海里の問題に関連いたしました漁業問題についてお尋ねをいたします。 去る3月の定例議会におきまして、私ども同志会の柳楽議員から、今日の事態を予測し、具体的な救済対策について質問され、市長より事態の変遷に対応すべくその強い姿勢について御見解を承ったところであります。本定例議会の冒頭に述べられたとおり、その後市当局は、議会並びに関係団体と一体となり、国の救済を求めるため今日まで積極的な運動を進めてまいり同時に、市当局として可能な限りの救済を実施されてこられましたことにつきましては、心から敬意を表するものであります。 御承知のとおり、本問題は、去る5月24日日ソ漁業協定協定の仮調印の運びとなりましたが、問題提起されてから3カ月有余過ぎた今日、予想以上の事態を迎えておりますことは申し上げるまでもございません。特に、いわき市の休漁船38隻、乗組員約 760名、さらに他県所属船の当いわき市民の乗組員5隻で約 100名、総計約 860名の方々が今日生活不安に脅かされております。さらに関連の造船、鉄工、無線、水産加工等にも影響を与えております。 これらの方々は、国に対し多くの期待をかけ、政治に救済をこいねがっているのが実情であります。したがいまして、私は当局の所見を求めるものであります。 1、休漁船の補償対策についてどのように考えておられるのか。 1、出漁船について、出漁延期に対する保障及び拿捕保険の改正についてどのように考えておられるのか。 1、休漁船と出漁船の乗組員に対する県・市民税の延納についてどのように考えておられるのか。 1、新漁業場の開拓と漁業従事者臨時措置法の制定及び失業保険の適用拡大についてどのように考えているのか。 1、減船に伴う離職者の救済対策についてどのように考えているのか。 1、水産関連業者に対する救済対策、売り上げ減、売掛金回収等の影響を受けているものを含めについてどのように考えているのか。 なお、最後の件については、さきに市長より機を失するなきよう速やかに方策を講じたい旨の答弁がありましたが、緊急を要する問題だけにさらに具体的な方策を求めるものであります。できまするならば、今議会中に追加提案等により救済融資対策措置を講じられるよう希望するものでありますが、この点を含め漁業問題についての御答弁を賜りたいと思います。 最後に、中央卸売市場の問題に関連して質問をいたします。 本市場は、昭和48年から4カ年の歳月をかけ、約55億円という巨額の費用を投じ、本年3月末設備の完成を見たところであります。今日まで現有市場の統廃合の問題、生産者保護育成の立場からの集出荷体制など、幾多の諸問題を抱え紆余曲折がありましたが、本市場が9月中旬開設の運びになりましたことにつきまして、市当局の今日までの御努力に対して心から敬意を表するものであります。 御承知のとおり、現在の食料品は全国にわたる広域流通となってきておりまして、中央卸売市場の社会的に果たす役割りはきわめて大きいものがあります。価格の安定と、安定とした供給は市民生活の安定にきわめて重要であります。その運営に当たっては生産者保護の立場を堅持し、育成指導をしなければならないと考えます。こうした観点から、農協を中心とした集出荷体制を進められてこられましたが、さらに万全の集出荷体制を図っていくべきだと思います。 そこで、市場オープンも9月中旬に予定されていることから、私は生産体制についてさらに推進する必要があると考え、生産組織の育成対策と農協営農の強化についてどのようにお考えになっておられるのかをお伺いいたしておきます。 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。(拍手) ○議長(橋本勲君) 市長。 ◎市長(田畑金光君) 〔登壇〕木内議員の御質問の第1は、財政問題についてでございます。 お話しにありましたように、国を初め地方自治体の財政運営はきわめて厳しい環境にあるわけであります。したがいまして、事務事業の積極的な見直しなどを行いまして、経費の節減合理化に努めておることは御承知のとおりであります。その結果、まだ確実な計数については現在整理中でございますが、51年度について見まするならば、形式収支においては約6億円前後の黒字となる見込みでございます。しかし、これを単年度収支において見ますると約2億円前後の黒字決算になるであろう、このように見ております。 特別会計につきましては、それぞれの事業の努力はもとより、その事業の性格に応じまして一般会計からの繰り入れ等の調整を行いますので、全会計黒字決算になる見込みでございます。 企業会計につきましては、それぞれ経営努力に鋭意努めておりますが、水道事業及び共立病院事業会計は黒字になりますが、常磐病院と好間病院事業会計は、残念ながら収支不足となったという状況であるわけであります。 さらに、経常収支比率の問題等に関連いたしまして義務的経費の問題等、特に人件費の問題に触れて今後の財政問題を分析されて、いろいろな点から質問があったわけでございますが、お話しのように、確かに経常収支比率の悪化を年々強めていることは事実でありまして、人件費の占める比率が年々ふえてまいり、財政構造悪化の一因をなしていることも事実であります。 昭和49年度の決算を見ますると、経常収支率は82.5%でございましたが、昭和50年度では89.2%になり、51年度の決算見込みでは恐らく90%超えるものと想定されるわけでございまして、この経常収支比率の動きを見ますと、いわき市発足後一番財政の悪かった昭和42年当時の財政構造に似てきている、これがいまの状況でございます。昭和43年度の経常収支比率は89.2%、昭和50年度もちょうど89.2%となってきております。 お話しのように、昭和50年度決算による収支比率では人件費、扶助費、公債費が大半を占め、特に人件費比率は58.2%となっておるわけであります。このような背景になってまいりましたので市といたしましては、御存じのように従前から職員定数の削減の問題、高齢者の勇退に伴う新陳代謝、管理職等の退職年齢の引き下げ、新規施設の委託管理等に努力してまいりましたが、今後とも人件費の増加については極力削減に努めますとともに、公共施設の管理運営等に当たりましても、当然見直しを行うべきであると考えておりますので、昭和51年度の決算分析を待ちまして、庁内に財政構造の改善について検討する機関を設けまして、どうすればよろしいか対策を講じたいと考えておるわけであります。 ただ御理解を願いたいことは、人件費の増加の原因も、これは市民のサービス行政のために欠くべからざる支所の機能の充実の問題、各種施設を増設しなければならないという問題、あるいはし尿くみ取り、あるいはごみ処理の問題などの現業関係の仕事がいろいろふえておるわけであります。こういうような面から職員の増加というものが出ておるわけでございまして、一般会計ではございませんが、企業会計等を見ましてもいわき市のようなすばらしい公立の病院施設を持っておるところは全国でも数少ないと思いまするが、共立病院の整備ひとつをとらえてみましても、お医者さんであるとか、医療担当者の増員というものが相当ふえてきております。あるいは常磐病院も50ベットが増床されるわけでございまして、そうしますると当然医療従事者の増員というものが出てまいりまして、こういう面からだけでもいまの定数条例については見直さねばならん時期にはやきているわけでございまして、表から見ますと「財政構造の悪いときに職員増とは何ごとぞ」と、このような見方もありましょうが、しかし施設の整備とか現業部門の充実は、市民のためにやらねばならん行政サーヒスであるとか、生命、健康を守る威容な事業でございますので、こういう問題については十分各位の御理解を願っておきたいと考えておるわけであります。 次に、事業所税の問題についてお話しがございました。いわき市の事業所の総数は、統計資料によりますと大小あわせて約1万 5,000の事業所がございます。この1万 5,000事業所のなかで、事業所税の対象となる事業所の数は 330と見込んでおります。事業所税の適用日以降、すなわち昨年の10月1日以降5月末現在の申告事業所の数は 237でございますが、このうち部分的な非課税規定の適用により免税点以下となり、税金の納付の必要のなくなった事業所の数は73でございますので、差し引き 164の事業所が事業所税の対象となっております。そのうち課税標準の特例等の規定によりまして、税額が軽減されておる事業所の数は 137あります。また重複適用の場合もありますが、減免規定の適用により軽減の対象となった事業所の数は37あります。そのうち市独自の基準によりまして減免した件数が31件ございます。その結果、51年度においては予算額 5,000万円計上いたしましたが、調定では納税者51名で約8,400万円の課税となりますが、収入済み額が 6,900万円の実績となってございます。 収入の面におきましては、経営困難のため、なかには一時に納入困難と認められる事業所もありますので、実情を十分考慮し、納付時期の延長または分割納付の措置等、納税者と十分話し合いをしながら対処しておるわけであります。 昭和52年度は当初予算に5億円を計上いたしておりますが、5月末日現在ですでに納税者113名で、約3億 1,000万円の調定となっております。したがいまして、年度を通じてみまするならば、当初予算の5億円の確保は可能であろうと見ておるわけです。 事業所税の問題についてはいろいろ対策協議会等が結成されまして、御意見があることも承知しておるわけであります。御存じのように、事業所税は都市環境の整備改善に必要な財源を確保するため、人口30万以上の都市に目的税として課税されておるわけであります。いわき地城事業所税対策協議会の皆さんが、国に対して事業所税適用除外を運動されておることもよく私も承知しております。いまのような不況のなかで、各企業がそれぞれの立場で精いっぱい努力されておるにもかかわらず倒産が発生して、ことしの1月から5月の間に 1,000万円の負債を残して倒産した企業は22件、20億 1,000万円の負債総額ということは、過日の報告のなかで申し上げたとおりであります。厳しい経済環境のなかで、事業所税が経営を圧迫しておる一因となっておることも、これは現実であると思っております。 しかし、行政の側から申し上げますならば、いわき市はごらんのように広大な面積を持ち、都市機能が未成熱の町であるわけでございまして、毎議会のたびに都市環境の整備の問題が指摘されておるわけであります。これまた市民の強い要望であるわけであります。すなわち、都市基盤の根幹をなす道路の問題、ごみ処理問題、不燃物捨て場の確保、し尿処理問題の整備等山積しておるわけであります。この点は他の都市に類を見ないほど財政需要が多いということも見落としてはならないと考えておるわけであります。 たとえば、湯本温泉確保対策の経費として、ここ当分、毎年一般会計から 4,000万円ほど支出をしなければならん状況にある、こう私はみておるわけでございます。また、いわき市の一番の隘路は道路網がおくれていることも、先ほど藁谷議員から指摘されたとおりであります。国道や県道だけに整備を急ぐように陳情を続けて、市道の整備を怠るようなことは許されないと考えておるわけでございまして、一例を申し上げますならば、県道や国道のバイパス的役割りを果たす上荒川-龍ケ沢線の整備をことしから来年にかけて2年でやるわけでありますが、これだけでも事業費が5億円であります。公共下水道の整備といたしましては、年間投資が15億円となっておるわけであります。200海里問題に関する特別融資として、過日1億円の措置を講じたわけであります。このように財源対策は、実に容易でないわけであります。 したがいまして私は、人口30万人以上の--全国で55の都市がございますが、いずれも事業所税を徴収しておるわけでございまして、いわき市のみが適用除外の町に…ということを行政責任者としての私からかれこれいうことはできないことでございまして、しかも政令によりまして人口30万人以上の都市については事業所税を徴収することになっておるわけでございますから、政令を改正していわきを除外措置をしてくれ、というようなことは、行政のサイドの立場においては取り得ないことであるわけであります。 しかし、先ほど申し上げたように、厳しい状況下における今日のこういった立場の企業を考えますならば、私は非課税の範囲の拡大措置を図ること。また去る3月議会で皆さんが議決をなされましたが、その意見書にありますように、課税標準の特例範囲をできるだけ拡大すること。それから自治省の定める滅免基準の拡大について、国に対して現在も強力に働きかけておるわけで、こういう面についてを今後とも積極的に努力してまいりたい、こう考えておるわけであります。 また、市独自といたしましても企業負担の軽減を図るための措置を講じておるわけでございまして、今後の企業活動の振興策については、財政事情の許す限り積極的に取り組んでまいりたい。このことによって、今日のいわき市内企業の危機乗り切りについては、市は市の立場で協力してまいりたいと考えておるわけであります。 コミュニケーションを図っておるかどうかというお話しでございましたが、今日まで事業所から提起されてまいりました諸要望については、単に市財政上の問題として受けとめるだけでなく納税者はもちろん関係団体と事業所の立場も配慮いたしまして十分コミュニケーションを図ってきました。特に本税の実施日である昭和51年10月1日の直前の時期においては、各地区に職員を派遣して本税の該当見込み事業所には案内を差し上げて、前後15回にわたる説明懇談会を開いてきました。 さらに問題点や疑問点のある事業所については、その都度現地を訪ね説明に当たりまして、納税者の理解を深めるため努力してまいりました。また、事業所税対策協議会の会議には、積極的に助役や関係部課長を出席させまして、意思の疎通を図るべく努力してまいりました。なお、私自身も近日中に対策協議会とも話し合うことにいたしておるわけでございまして、これらの御意見をよくよく承って、なおかつ自治省初め国に対して改善を求める問題については積極的に取り組んでいくことにやぶさかでないことを、ひとつ御了承賜りたいと考えておるわけであります。 参考までに申し上げます。昭和51年度の事業所税についてでございますが、自治省はわがいわき市の51年度の事業所税の収入を1億 2,300万の収入があるとみて、交付税についても算定されておるわけであります。しかし、現実には、先ほど申し上げましたように 6,890万円しか入ってないわけであります。このような実情にあるということも、ひとつ御理解を願わなければならないと考えておるわけでございまして、その差額は、自治省では53年交付するということになっておるわけでございますが、地方交付税の算定に当たりましていわき市の場合は、これだけの収入があるということを当然基準財政収入額に入れて算定されておるということも、関係者の皆さんに御理解を願わねばならん問題である、このように考えておるわけであります。 次に、漁業問題についていろいろお話しがございましたが、今回の日ソ漁業交渉におきまして、ソ連の強い壁にぶつかってわが国サケ・マス船の551 隻が休漁船になりまして、当いわき市では中型サケ・マス流し網船4隻、母船式サケ・マス船34隻が休漁船になったことは御指摘のとおりであります。 休漁船の保証については、国の責任で救済するよう強く政府に陳情してまいりました。 とも保障の問題について、ことしはこのようなことをやるべきではない、このようにわれわれは強く政府に申し入れたわけでございますが、しかし政府のこたえは、とも保障については避けられない状況下と見ておるわけでございます。今後とも 200海里漁業専管水域対策協議会としては政府に強力に働きかけてまいりたいと考えておるわけであります。 出漁延期による保証借置等についても、これは強く政府に要請してまいりました。また、ことしの休漁船551 隻は、即、減船につながるわけであります。しかし、いわき市のことしの休漁船は、全国の比を見ないほど数が多いわけであります。したがいまして休漁船は、即、減船につながるようなことでありますと、これは大変なことであるから、休漁船と減船は別の問題として取り扱うこと--このことも政府に強く申し入れてまいったわけでございまして、政府といたしましては業界の自主的な話し合いにより減船の問題に取り組むであろうと、私たちは受けとっております。したがいまして、われわれといたしましてはできるだけ、減船の数をいわきの水産業界から減らすように努力することが大事なことであると考えておるわけであります。 失業保険等の問題等につきましても、船員保険は御存じのように相互保険でございまして、漁船員のなかに失業保険の適用対象から外されている人方が相当数おるのも現実でございますので、われわれといたしましてもこの点について政府の行政措置を強く要望してまいりましたが、政府といたしましては内閣審議室を中心に、農林省、運輸省、厚生省、労働省の関係者がこの漁船員の雇用保険の問題等につきまして、いま検討を進めているというのが実情でございます。なおまた、減船に伴う離職者等が今後当然に予測されますので、これが対策について政府に強く申し入れをしてまいっておりますが、われわれといたしましては海の労働者はやっぱり海で、こういうことに焦点を当てることが大事なことでございますので、新漁場の開拓なりあるいは調査船等に余剰の船を回して、できるだけ海の人方は海で働いてもらう、こういうことに政府の強力な措置を求めてまいったわけであります。 しかし、万やむを得ずして陸に仕事を求められる人方につきましては、当然に職業訓練やその他の借置によって技能の習得の問題が出てまいりますので、これらも県や国に対して強く要請しておるというのが実情であります。なおまた、異常な事態から発生する船員の離職者の問題でございますので、われわれは炭鉱離職者並みの特別措置法により、これらの船員離職者を救済するように今日まで強く求めてきておるというのが実情であります。 県市民税の延納についてのお尋ねがございましたが、県市民税の延納、すなわち徴収猶予につきましては、地方税法第15条の規定によりまして、次の5点のうちいずれか1つに該当する場合でなければ、その猶予を認められないことになっておるわけであります。それも本人の申請に基づき、その時点から1年以内の期間に限り猶予するということになっておるわけです。 たとえば、納税者がその財産につき震災、風水害、火災、その他の災害を受け、または盗難にかかったとき。2つ目として、納税者またはこれらの者と生計を一つにする親族が病気にかかり、または負傷をしたとき。3つ、納税者がその事業を廃止し、または休止したとき。4つ納税者がその事業につき著しい損害を受けたとき。5つ、前各号の1つに該当する事実に類する事実があったとき--このような場合に限られておるわけであります。 おただしの休漁船に従事していた漁船員の皆さんへの徴収猶予の適用は、第5号で申し上げました「前各号の1つに該当する事実に類する事実があったとき」でありまして、その法的な解釈は「事業を営まない納税者の所得が著しく減少し、または皆無となったとき」となっております。しかしながら、法の本来の考え方は、個々人のそれ以外の所得実態も考慮すべきであり、同一職種を画一的に猶予することについては問題があるわけであります。しかし私といたしましては、いまや国際問題となったこの業種に従事する皆さんの実情を十分理解し、法の許容する範囲で最大の努力を払うつもりでおりますので、御了承を願いたいと考えておるわけであります。 最後に、水産関連業者等についてお話しがございましたが、これは先ほど藁谷議員からも御質問があったわけであります。その際、私は「関連産業等についての対策については機を失しないように…」とお答えをしたわけでございますが、北洋漁業に関連する業者の売掛金の増加及び売り上げ減によって著しい影響を受ける中小企業者を対象に、緊急融資等についての対策を速やかに講ずべきだ、というのが皆さん方の御意思であると私は判断いたしておるわけであります。 したがいまして、木内議員からこの会期中に云々というお話しがございましたが、私も、この会期中に具体的な処理を進めたいと考えて、事務局に命じまして具体案を作成するよう指示してあります。皆さん方にお諮りいたしまして、でき得るならばこの会期中に、特に夏場に向かいまして業界も大変な時期を向かえているということもしばしば陳情を受けておりますだけに、でき得るならばこの会期中において補正予算の措置等も講じてまいりたい、こう考えておりますので皆さん方の御理解、御協力をお願いしたいと考えておるわけであります。 中央卸売市場開設の問題についていろいろお話しがございましたが、これも藁谷議員にお答え申し上げましたように、議会の皆様方の御協力をいただきまして、この大きな中央卸売市場開設という問題に取り組んでまいりましたが、おかげさまで何とか9月中旬ごろには業務開始までにこぎつけるようなめどがついたわけでございまして、これも議会の皆さま方の御協力のたまものであると私は感謝しておるわけであります。 問題は、今後の生産者対策、農協との協力体制をつくる問題でございますが、農産物の共同出荷体制につきましては、すでに農協を単位とした体制づくりのために部落座談会等を開いて指導してまいりましたが、さらに関係機関や団体等協議の上、「野菜標準出荷規格表」と「主要野菜栽培一覧表」をつくりまして市内生産農家に配布し、有利な生産販売を推進指導してきたわけであります。 また、集出荷施設の整備については、補助事業等により市内13カ所に設置をいたしましたが、農協等に対する集出荷施設の設置に対しては引き続きその対策を推進するとともに、52年度より市単独で集出荷施設を整備するための助成策を講じております。 農協単位に適地適産の重点品目を選びまして、これらの生産技術の指導等については農協が主体となり、これに市・農業改良普及所等関係機関が一体となり指導してまいりましたが、農協の共販体制を強化するためには、生産組織の育成強化を図る必要がございますので、生産組織づくりについて農協と一体となって一層の努力をするつもりでおります。そのための助成策については、生産・出荷の実績等を踏まえながら検討し善処するつもりでおります。 生産・出荷の対応は農協中心に進めておりますが、農協の営農指導部門の強化を図ることもまた、これからの大事な問題と考えておりますので、特に今回の中央卸売市場の業務開始となってまいりますならば、農協と不離一体の関係になり、いわき市内の生産農家の育成強化を図っていくことが最も大事なことであると考えておりますので、流通面における消費者の利益を守る努力とともに、この生産農家の問題、いわきの農業の拡大の問題等についてを精力的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御了承賜りたいと思います。 ○議長(橋本勲君) ここで午後1時30分まで休憩いたします。             午後 0時28分 休憩            -------------             午後 1時31分 開議 △緑川定美君 質問
    ○議長(橋本勲君) 休憩前に引き続き会議を開きます。6番緑川定美君。 ◆6番(緑川定美君) 〔登壇〕(拍手)6番新政会の緑川定美であります。ただいまより通告の順序に従いまして一般質問を行います。質問通告の4番目の「農業行政について」はというところが「農林行政について」でありますので御了承のほど願います。 それでは、まず模写電送システムについてであります。 模写電送については、当議会においても支所の権限拡充強化の観点から、集中化した住民関係諸台帳の取り扱い、現装置の耐用年数、更新の問題等いろいろ論議されてきており、また市当局において、昨年の行政機構改革とは別個に「検討すべき重要事項」との判断のもとに、今後も鋭意検討されることと思われますが、本問題は、言うまでもなく、市民と直結する窓口行政の最たるものであり、このシステム運用いかんによっては、市民生活に大きな影響を及ぼすきわめて重要な問題であると考えられます。 私は、こう言った認識に立って、市当局においても今後改善検討を加え、より良質なる市民サービス提供のための方策を考えられておられることと思いますが、本年度はシステム導入後5年目に入り、当初の時点と比較し、損耗度合いも多いものと考えられます。しかしながら、反面、システムそのものについて考えるならば、利用する市民も利用年度4年を経過し、現システムになじみ、定着化した部分もあり、それなりの効果を発揮していることは否定できないところであります。 一例を挙げて申すならば、市民が自分の住んでいる地域外の支所の利用状況を調べてみると本庁、磐城及び勿来支所管内の市民の他支所利用率の低いのは、地区の特性からして当然でもあるが、そのほかの地区市民の地域外の支所の利用率は、50年度平均で25%弱、51年度では26%強となっており、最高好間支所管内では50年度37%、51年度41%、平均で4人に1人は他支所窓口を利用していることとなります。これからのことは、市民は、自分の住んでいる支所の所管区域に束縛されることなく、住民の都合によって最も便利な、そして支所窓口を自由に選択できるという現システムの利点を大いに活用していると言わねばなりません。 私は、こう言った観点から、現行システムの基本を保持しながら、改善すべき点は改善することにより、今後も市民サーピス低下の防止を図り、運用することによって一体どんな方法があるのか。また、いわき市より先に導入している、いわば先進都市の状況から、当市の場合の今後の措置方法等、さらに見通しについてお聞かせいただきたい。 第2点として、支所窓口の拡充強化についてであります。 過去において、取り扱い件数の少ない支所への台帳移管または台帳副本の配置等、支所充実についてはいろいろ論議されましたが、これからの実施については、窓口の固定化、事務機品の増設、職員の増員、所要経費等幾つかの大きな問題があって実現に至っていないが、これ以外に支所充実につながる方策があるのかどうか、あれば具体策をお伺いいたします。 次に、観光公社設立についてお尋ねいたします。 過般の新聞等の報道によれば、市長は現在建設中の勿来の国民宿舎、並びに競輪場内に設置される売店や食堂の経営等について、管理運営の効率化と企業的経営という観点から、これを市直営による管理をせず、公社方式により運営すべく関係機関に対し財団法人「いわき市観光公社」を設置すべく申請したとのことでありますが、このことにつきましては、すでに3月定例会の間宮議員による代表質問のなかで、地方財政の硬直化の改革の問題として市の施設の管理運営について、民営の移管あるいは公社の設立、または事業団による運営等について論じられてきたことでもあり、今回の観光公社を設立することはまことに当を得たものと考えられます。 そこでお伺いいたしたいことは、第1点として、観光公社の設立目的から考えてみて、市内における国民宿舍等、観光施設の管理運営が主たる目的でなければならないことは言うまでもありませんが、このたび公社で運営しようとしているのは、勿来の国民宿舎の管理運営と、競輪場内の売店及び食堂の経営のみと聞かされております。しかしながら、今回、観光公社を設立する以上これら同種の施設、たとえば豊間にある国民宿舎塩屋埼荘、これらを含めて観光公社のなかで運営するのが最も好ましい姿であろうかと思われます。かかる観点から、いわき市観光公社設立に当たり、以上述べた同種の施設を含めて観光公社のなかで一体的管理運営を行う考えがあるのかどうか、お伺いいたします。 第2点として、公社運営の実態における給与体系の問題であります。公社に働く方々の生活保障が確保されなければならないことはもちろんですが、独立採算というたてまえはまことに厳しいものがございます。しかし、どのような企業においても、その実態にあった給与体系を組むことか望ましいのであります。そこでお伺いいたしたいことは、観光公社における給与体系はどのような形態なのか、また今後の運営見通しについて、あわせてお尋ねいたします。 次に、し尿くみ取り行政については、従量制方式を本年4月1日より環境対策協議会の意見具申に基づいて一大改革に踏み切り、人頭制・定時収集方式に移行したわけであります。 そこでお尋ねいたしたいことは、第1点として、人頭制に移行する場合、最大のポイントとなるのは家族数の把握であると考えられます。そのため、市民から提出のあったし尿くみ取り申し込み書を、転入、転出、出生、死亡等、毎月これらを補完整理しなければならないが、相当の事務量の増大となるはずであります。はたして、これら事務処理が、完全かつスムーズに執行なされているのかどうかお伺いいたします。 第2点として、これまで行ってきた方式を変更したことにより、最もまだ期間は2カ月余にしか過ぎませんが、発足当時はもちろんのこと、現在も含めて地域住民のトラブルが生じていないかどうかであります。 この問題につきましては、本会議冒頭の市長の説明によれば、おおむね順調に移行されておるやの説明がありましたが、この問題解決については、昭和51年12月定例会の質問での四家議員のし尿くみ取り行政のなかで、これに関する市長の答弁は、「市と許可業者との合同による苦情処理委員会を設けてトラブルの早期解決に努める考えである」と述べられております。そこで、これらの処理委負会はどのような形態で設置し、またどのような苦情がどの程度発生し、それをどのように解決したのかをお伺いいたします。 最後に、農林行政についてであります。 まず第1点として、圃場整備等の進捗状況についてであります。 圃場整備を初め農道、用排水路、ため池、農道橋の整備に対する要望は、最近非常に多くなってきておりますが、事業着工の順番がなかなか回ってこないとか、着工しても年数がかかるとかで、思うように進まない状況にあるやに聞いております。そこで、いわき市の農業振興地域整備計画とその実績について、比較対照してお聞かせいただきたいと思います。 第2点として、中核農家の育成についてであります。 最近の農家は、専業農家が急激に減少し、兼業農家、特に第2種兼業農家が急増しているのがいわき市の実態でもあり、また日本の実態でもあります。新規就農者の激励会に出席する農業後継者が年々減ってきていると聞いているのも、農業だけでは食っていけない、この現実を反映しているものであろうと考えられます。 しかし、国は、国民食糧の安定供給と自給率の向上を国政の大きな目標といたし、その担い手として中核農家の育成が重要であるとして各種の施策を講じているようで、私も同感であり以上のような現実をこのまま放置すれば、農業の衰退は目に見えるほど明らかでもあり、わが国将来の食糧政策に大きな支障を来すのであろうと憂えるものでございます。したがって、このあたりで自立経営農家あるいは中核農家を積極的に育てる農政を展開する必要があると思いますが、市長の見解をお聞かせいただきたい。またその具体的な方針があればあわせてお伺いいたします。 3点として、農業構造の改善についてであります。 いわき市は、農業構造事業によって基盤整備や、施設の導入をして農業の近代化を進めてまいりました。また第2次農構事業によって、自然休養村という新しい形の構造改善も行われてきたのでありますが、その事業も終わり、目下このような事業計画を持っていないようであります。 都市部を離れた山村地帯にあっては、まだまだ生産基盤も生活環境の整備もおくれておりまして、昨年は山間高冷地では冷害の傷手が大きくありました。冷害のときだけの応急手当だけでは、こうした地帯はいつになっても住みよいところにはなりません。どうしても山村地帯の農業については、総合的なメスを入れて改善を図る必要があると考えられます。 私は、圃場整備やビニールハウス、集荷所の設置等、それはそれで重要な施策ではあると思いますが、地域の農業や農村の生活環境を総合的に整備するような、いわゆる農村地域の構造を改善する大きなプロジェクトに、市は取り組む姿勢があるのかどうかお伺いいたします。 4点として、林道、作業道の開設促進についてであります。 6月3日付のいわき民報によれば「市内民有林6万ヘクタールのうち、除間伐の適期に入ってもまだ実施していない。杉、ヒノキの面積はその3分の1にあたる2万1,737 ヘクタールであり、除間伐をしなければ、木はせり合って過密となり、不良木や枯れ損木ともなり、材質価値も半減することとなり、全国的にも問題になってきている」と報じられておりますが、この進まぬ除間伐は人手不足によるとも言われております、しかし、それもありましょうが、林道や作業道が整備されていないことが原因となっている面も大きくあります。 資源を大切にする上からも、林業農家の経営安定の上からも、林道や作業道の整備を急ぐことが、行政としてあるべき姿であろうかと思いますが、市長の見解をお聞かせいただきたい。 以上をもちまして、私の一般質問を終わります。(拍手) ○議長(橋本勲君) 市長。 ◎市長(田畑金光君) 〔登壇〕緑川定美議員の御質問にお答えいたします。 第1の御質問は、模写電送システムの点でございまして、いろいろな角度から建設的な意見が述べられましてありがたく拝聴いたしました。 御存じのように、この模写電送装置のいい面は、住民の都合により自由に窓口を選択できるということだと思うわけです。これらの施設については導入後5年を経過した時点で、全部の機品を一斉に更新する方法、あるいは使用状況から判断いたしまして、損耗度の激しいものから年次的に更新するやり方、また部品の交換やオーバーホールを行い、3年程度使用後更新する方法、また支所への送信方法を一部変更し、現在使用の通信回線の約3倍程度早い回線に切りかえる方法--このような措置が考えられるわけであります。ところで、このような考え方のもとで所要経費を積算してみますると、全機器更新の場合は1億 5,500万円程度、オーバーホールの場合は 1,800万円程度、電送回線を変更した場合は、現在使用している回線の使用料の数倍以上になる見込みであります。 お話しがございましたように、他市の状況を見ますると、たとえば藤沢市、長野市など電話回線を利用した古い機種を採用した市は、設置後5年前で一斉に模写電送専用回線を利用する新機種に更新しているわけであります。札幌市や大津市など最初からわがいわき市と同じような新機種を採用した市が、5年程度経過しましてオーバーホールをやるか、あるいは現在実施中であり、更新はさらにその後3-5年経過後やる--こういうような措置を講じておるようであります。以上の状況からみましてわがいわき市の場合も、メーカーの常駐技術者による毎月の点検を十分に行い、部品の交換、オーバーホールを実施することで、3年-4年は更新延長が可能であると判断しておるわけであります。 このような事情でございまして、お話しがありましたように、模写電送装置がようやく市民のなかに定着をしてきたということと、市民が自由に他の支所の窓口が利用できるという利便性--好間地区を例にとられていろいろ模写電送システムの効用についてのお話しがございましたが、このような傾向に発展してきたということは、いわき市の一体性を進める上からみまして望ましいことである、このようにみておるわけであります。 次に、支所窓口の拡充強化の問題等については、台帳移管の問題とか、台帳副本の配置等の問題についていろいろお触れになったわけであります。台帳の分散、副本の配置には問題がございまして、現行システムのなかで可能なものとして、支所窓口における戸籍関係の届出及び謄・抄本請求時の利便を考えまして、戸籍の見出し帳はすでに配付を終わっておるわけであります。さらに除籍の見出し帳についても、本年度中に配付をいたしまして住民の便益をさらにふやしていきたい、こう考えておるわけであります。 今後考えられるものといたしましては、支所へ出された出生届など届出書の電話による記載内容の審査を、電話と併用できる小型電送機に切りかえることも考えられるわけであります。こうした場合のメリットといたしましては、聞き違いや聞き漏れがない、審査に必要な書類が電送されるため、支所職員か直接窓口のお客さんに対応できて処理できる--などが考えられるわけであります。ただデメリットといたしますと、電話と違い、一定の送信時間がかかってなるべく時間を短縮してもらいたいという市民の要望に、その面では反するという点も出てくるわけであります。 とにかく模写電送更新の問題、拡充強化対策についてお話しを申し上げたわけでございますが、予算措置その他具体的詰めが必要なので、これらを含め、今回、模写電送システム全般についての内部調査機関といたしまして「模写電送業務調査会議」を、関係部課と支所職員により設けまして、この会議を中心に問題点の検討、改善方法、住民へのサービスの向上の問題について検討を加えたいと思っておりますので、御了承賜りたいと思います。 次に、観光公社の問題について御質問がございましたが、塩屋埼荘の運営を観光公社に経営委託することについては、施設の規模や内容が、勿来国民宿舍に比べますと劣っておるわけであります。本質的には同一経営形態であるべきであると考えるわけでありますが、立地条件等も異なるわけでありますし、また薄磯国民宿舎の場合は、宿泊を中心とした経営がその主体をなすことによりまして、現在の状況では企業努力をいたしましても赤字が予想されるというのが実情であります。 新設される勿来国民宿舍は、競輪場における食堂及び売店事業を観光公社で行うことにより総体で独立採算を原則に考えているわけでございまして、実際の経営は53年1月以降ということでございますので、公社の運営を軌道に乗せることがまず先決ではなかろうか、こう考えておるわけであります。塩屋埼荘については、公社設立に伴う国・県の行政指導との関連もありますけれども、この問題は市職員の勤務条件の変更等にもつながってくることでもございますから、職員団体とも十分話し合いを持ちながら今後の方向を見定めてまいりたいと考えておるわけであります。 公社職員の給与の問題、また経営の見通しはどうかという御質問でございましたが、公社職員の給与につきましては、働く職員の生活が確保できることを第一義的に考えまして、公社独自の給料表をつくり、経営実態に対応する給与の支給を行いまして、公社設立の趣旨に反することのないよう企業努力する所存であります。 また、今後の運営の見通しはどうかということでございますが、率直に申しまして、実際運営してみないといまのところ何とも申し上げられないわけでありますが、とにかく独立採算制を基本として、健全な経営ができるように最善の努力を払ってまいりたいと考えておるわけであります。 次に、し尿くみ取り行政についていろいろお尋ねがございましたが、ことに今回の制度移行に伴って一番大切なことは、家族数をどんなにして正確に把握するか、また家族数の把握等について事務処理がスムーズに進んでいるかどうか、このような御質問であったと思います。 人頭制料金は、毎月1日を基準日といたしまして、家族数によりその月の料金が決まるわけであります。したがいまして、家族の異動整理は的確に、しかも速やかに処理されなければなりません。家族の異動は、本人が市役所の窓口に届出をする場合と、くみ取り作業時の現場発生主義をとる場合との2つの方法があるわけであります。いずれの場合にありましても異動票を作成いたしまして、市と業者との間で台帳整理を行い、人員の把握をしておるというのがいまのやりかたでございます。 御存じのように、毎年3月ないし4月の異動期における事務量は相当増大しておりますが、し尿の定時収集・人頭制の制度確立の基本的事項は、人員の把握にあり、これが適正を期するためさらに市と業者との台帳の定期的な照合--8月と12月でございますが、そういうようなことで正確さを期しておる、このことを御了承願うわけであります。 この制度に移行して住民とトラブルはなかったかどうか、、苦情処理委員会はどうなったか、等々のお話しでございますが、定時収集移行後に市民から寄せられた苦情や意見は、4月が 909件、全体に対しますと0.29%でありました。しかし、月を経るごとに減っていることは数字が示しておるわけであります。 苦情等の処理に当たるため、知識経験者6名、市職員2名、計8名の構成によりまして「いわき市環境整備対策運営協議会」を去る6月1日設けまして、同月8日協議会を開き、いろいろな苦情がきておりますので、この苦情に当たることにいたしておるわけであります。 苦情の多いものは、率直に申しまして「くみ取り料金が値上げになって不満だ」というのが一番多うございます。それから「毎月1回のくみ取りは高上がりになり料金が高くなって不満だ」というようなこと。「特殊便槽の200円加箕料金は不満だ」という苦情。「大雨等により冠水した便槽のくみ取り料金をもっと軽減せよ」という苦情などが幾つかきておりますが、こういうような問題等につきましては対策協議会ですでに検討いたしまして、一般家庭で便槽が小さく、月2回以上くみ取りを必要とする世帯の申込み・従量制から定時収集・人頭制への移行の問題、あるいは災害時における冠水便槽くみ取り料金の減免措置--このようにできるものから市民の苦情処理解決のため、具体的に対応策を講じておるということを、ひとつ御了承願いたいと考えております。 次に、農林行政について御質問でございますが、農振法による農業振興地区の設定の際に、農業基盤の整備について農家の要望を取りまとめ、昭和48年から10カ年長期計画を立てて今日にきております。この計画で主なものといたしましては、先ほど緑川議員がお話しなりましたように、圃場整備事業が 1,750ヘクタール、農道整備8万 9,782メートル、用排水路整備8万 2,620メートル、ため池改修34カ所という膨大な数字となっております。 この計画に対する51年度まで4年間の実績でございますが、圃場整備が 291ヘクタールで16.6%、農道は1万 7,320メートルで19.3%、用排水路は3万 3,600メートルで40.7%、ため池21カ所で61.0%がいままでに終わっておる事業内容であります。実施の率は低率でございますが、その原因でございますが、計画には載っておりますけれどもまだ農家の意思が固まっていないため、国・県に事業の要望ができない地区が多々あるわけでございます。市では、国・県補助事業で補助残の70%、市単独事業では事業費の80%という県下市町村では最高の市負担を行っておるわけでございますが、市の負担にも限度がございますので、なかなか計画どおり整備が進んでいないのが実情でございます。しかし、姿勢といたしましては、今後とも農業生産の基盤整備である圃場の整備、災害の恐れのあるため池とか、こういう公共性の高いものについては重点を置いて努力してまいる所存でございますので、御了承願いたいと考えております。 中核農家の育成の問題についていろいろお話しがございましたが、高度成長時代における農業労働力の流出、農地の壊廃など農業の体質が弱体化していることから、国民食糧の安定的供給と自給率の向上を国の農政の重要目標としており、その目標達成の重点的な柱として、お話しのありましたように中核農家の育成策が非常に大さな問題になっておるわけであります。 当市の現況を見ますると、いわき市においても兼業農家の著しい増加が見られるわけであります。農村地域の混住化など農業生産、農村地域をめぐる情勢はまことに厳しいものがあるわけであります。したがいまして、今後はこのような状態を踏えながら、いわきにふさわしい農業振興の方向を図って行かなければならんと考えておりまするが、そのためにも中核農家の育成が重要であると考えておりますので、その実態や意向を十分調査把握し、その対策を講じていく考えであります。この対策の一環として、国が52年度から実施する地域農政特別対策事業に採択されるよう要望もしておりますが、こういうような事業のなかで具体的な対策を立てて農業振興に努めてまいりたい、こう考えておるわけであります。 次に、農業構造改善についていろいろ御質問がございましたが、当市の第2次農業構造改善事業は、自然休養村計画である観光農業による所得の向上を目的とし、昭和48年度から4年間で一応事業が完了いたしましたが、広大ないわき市農業の振興を図るためには、山間地も平たん地も適地適産を基本として、総合的な諸対策を推進する必要がございます。 そこで、昭和51年度で第2次農業構造改善事業が完了したのを機会に、新たに昭和52年度から向こう10年間を目標とした「いわき市農業振興基本方針」をいま検討しておるわけでございます。広域都市であるこのいわき市の立地条件を考えまして、52年からは地域農業特別対策事業に取り組む考えでございまして、さらに国が昭和54年度から計画している「第3次農業構造改善事業」と「振興山村農林漁業特別開発事業」の指定を受けるよう国・県に要望いたしておるわけでございまして、これらの指定を受けましたならば、なお積極的に農業行政を進めてまいりたいと考えておりますので、御了承賜りたいと思うわけであります。 次に、林業問題についていろいろお話しがございましたが、造林は、将来の森林資源の充実と生産性の向上により、林家経済の安定、水資源の確保、国土の保全、保健休養等公益的機能を持っておるわけでございまして、積極的に施策を推進し、人工林の比率は61%に上っておるというのが現在の状況であるわけであります。 戦後に植林された杉やヒノキは、現在除間伐を必要とする時期にありまして、対象林分が面積で2万 1,737ヘクタール、その伐積が 235万立方メートル、この除間伐対象林分のうち3-7令級(11-35年生)としての面積は1万 2,809ヘクタールで 174万 5,000立方メートルあるわけであります。 良質材生産の5つの基本原則の1つである除間伐事業を効果的に進めるのには、林道網の整備と森林資源開発事業による作業道の整備が最も重要であることは御指摘のとおりであります。 現在いわき市内では、林道 186路線33万 7,491メートルあります。作業道が43路線2万5,896メートルを整備いたしましたが、これでは十分とは言えないわけであります。 間伐対策は全国的な問題でございまして、昭和52年度より林道事業の一環として間伐林道--幅員が2.8メートルでございますが--の開設が新たに追加されまして、林業労働力の減少による対策に対応することを含めまして、保育管理と生産性向上のため今後も本事業を積極的に進めてまいりたいと考えておるわけであります。また、県の指導によりまして、生産者の代表、業界の代表による間伐問題懇談会を開いたわけでございますが、林道や作業道の開設要望と流通の問題、市況の問題等が提起されておるわけでございまして、市といたしましても関係機関と協力をしながら、緑川議員御指摘の趣旨にのっとって今後の林業の発展に努力してまいりたいと考えておるわけであります。 ○議長(橋本勲君) 6番緑川定美君。 ◆6番(緑川定美君) 現在までの災害時におけるくみ取り料の減免については、災害対策本部の設置または水防本部の設置時に、その状況において、くみ取り料の2分の1を市民に対して補助したと記憶しているのでございますが、市長の説明のなかでの減免とはどのような内容なのか、ひとつお伺いします。 ○議長(橋本勲君) 市長。 ◎市長(田畑金光君) 担当部長から答えさせた方か正確だと思うのですが、災害時における冠水便槽のくみ取り料の減免は、災害救助法適用の場合は無料にする、これが1つ。定期的に収集する家庭は、災害の有無にかかわらず月1回の料金で処理することにする--正確を期するためにですね、部長から答弁させますから…。(笑声) ○議長(橋本勲君) 衛生部長。 ◎衛生部長(真名田重喜君) それでは御質問の内容についてお答えいたします。 新しい制度に移行したことに伴いまして、制度に即応した減免の取り扱いをするという考え方のものであります。すなわち、定時収集・人頭制にあっては、たとえ天災・災善等があった場合でも市民の負担は、月1回の人頭制料金のみにとどめようというものであります。 次に、具体的に内容を申し上げますと、減免措置の骨子でありますが、第1点は、災害救助法もしくはいわき市被災救助費支給条例--これは床上浸水の場合の見舞い条例でありますが--これが適用された場合は人頭制、従量制とも全額免除する。 第2点といたしましては、その1として、1時間に30ミリ以上の降雨があった場合、つまり集中蒙雨的なものですね。または1日の降雨量が 100ミリ以上に達した場合、そして被害を受けたとき。その2といたしましては、高潮・津波等によって床下に浸水して被害を受けた場合。その3といたしましては、その他不慮の災害で市長が認めたとき。たとえば、栗木作のような場合もありましょうし、河川が突然はんらんをした場合、あるいは火災等によって便槽がそういう状態になる場合、その他あると思いますが…。このように第2点は3つの内容でありまして、このようなものに該当する場合は、次のようにしたい。つまり、第2点の内容でありますが、定時収集が終わった後に災害にあった場合は、人頭制のところは全額免除。そして従量制の場合は、法人と公共施設については2分の1免除。それから定時収集がまだこないうちに災害にあった場合は、人頭制については災害当日から換算をいたしまして以降15日間、つまり定時収集はいま1ブロック5日単位で刻んでありますので、その3ブロック分15日間ですね、この期間に該当する定時収集区域は、天災によるところの定収の調整、つまり繰り上げ収集ということでこれを適用して処理するわけですが、この場合は人頭制料金をちょうだいする。この期間以外の場合には全部免除する。これは先ほど申し上げました、いわゆる定収人頭制の月1回料金払いになるわけであります。 次に、従量制でございますが、従量制の場合には2分の1を免除する、ということです。こういう措置をして市民の軽減を図った場合に市はですね、許可地区の業者に対しまして減免をいたしました区分に従いまして、2分の1、4分の1を助成する。そしてまた、業者も、その場合は市から助成を受けた相当額に、いわゆる同等額ですね、この料金を市民の負担軽減に協力する、こういうことで内容を定めておるわけでして、この実施に際しましては取り扱い要綱を定めまして、そして適用に踏み切るという内容でございます。 ○議長(橋本勲君) ここで午後2時45分まで休憩いたします。             午後2時20分 休憩            ------------             午後2時49分 開議 △鈴木久君 質問 ○議長(橋本勲君) 休憩前に引き続き会議を開きます。19番鈴木久君。 ◆19番(鈴木久君) 〔登壇〕(拍手)19番社会党の鈴木久でございます。通告順に従って市政一般について質問をいたしますので、市長及び関係当局の明快な御回答をお願いいたします。なお、さきに質問されました3人の議員の方々と多少だぶる点がありますけれども、御了承いただきたいと思います。 まず第1に、いわさ市総合開発計画と市民参加の市政についてお伺いいたします。 すでに過般の議会のなかでも市長より、いわき市総合開発計画策定の方向が示され、すでにその準備がなされているわけであります。私も12月議会において、市制誕生10年を迎えた今日、いわき市の総合開発計画の見直しを図り、いまだ解消されない合併の弊害、地域格差等市政の一体化や、厳しい財政事情下でもますます拡大しつつある行政需要、市民の要望の計画的な、あるいは重点選別主義に基づく実施をすべきであり、また産業優先開発先行の方向から市民優先、福祉重点の政策に転換すべきであることを申し上げてきたところであります。 いまや、この総合開発計画の見直しは、具体的作業に入りつつある段階でありますけれどもこの計画が真に生きたものとして、30万市民の将来と今後に大きな展望を指し示すものにするためには、じっくり時間をかけ、あらゆる角度から検討と討論を加え、本当に30万市民がこれを基本的に支持し、参加協力のできるものにしなければならないものと考えます。その意味で、多分にひとりよがりの思いつき的なものがあることを承知しながら、問題提起を含め私の考え方も申し上げますので、御批判をいただくとともに、市長の見解を承りたいと存じます。 この策定計画を進めるに当たって、地方自治体を取り巻いている経済・社会情勢について考えてみる必要があると判断をいたします。 すでに御承知のように、自治体を取り巻く政治的・経済的動向は、60年代高度成長時代と今日では全く一変し、現在は、逆に高度成長政策のもたらした弊害、矛盾が表面化し、大変厳しいものであります。不況インフレは勤労国民の生活を脅かすだけでなく、地方自治体も深刻な財政危機に直面しているわけであります。しかし、この長期化した不況脱出のためいろいろな手だてが加えられておりますけれども、なかなか脱出できないでいるわけであります。そのなかで不況脱出の頼りにされているのが、何とこの厳しい財政政策に頼っているわけであります。すなわち、国・県・市を含む公共事業投資に大きな期待が寄せられているわけであります。したがって、勢い財源難という背景のなかでは、赤字公債の発行等にはね返っているのが現状の実態ではないかと考えます。特に地方財政に大きなしわ寄せが行われ、自主財源難とあわせて一層財政危機になっているわけであります。 さらに、高度成長と言われているところの日本列島改造等の矛盾は、新たに都市問題、過疎過密、交通事情の悪化、公害等を生み、さらには教育問題、文化の退廃をもたらし、市民生活環境は悪化をしているわけであります。自治体に対する要求・要望がとめどもなく拡大するばかりであります。こうした経済・社会的背景を踏まえつつ、まず総合開発の策定の基本的な考え方をお伺いをいたします。 まずその1つは、いわき市の未来像をどのように考えておられるかということであります。東北太平洋岸の南玄関口であり、地方中核30万都市として着々発展の方向に向かっておりますが、10年後、20年後を展望したいわき市の都市構造、人口動態、産業経済、商業、農業漁業の位置づけなどについて、将来の見通し的なものがあればお示しいただきたいと存じます。 その2つは、総合開発計画の重点方向についてでありますが、今日まで「上位計画を円滑に受け入れる」ということで、国・県の指し示す方向に基づき、大綱では「都市開発促進」「産業施策の振興」がその中心であったと考えます。すなわち、産業優先政策がとられていたと言えます。今回のいわき市の開発計画は、さきにも述べたように、政治・経済動向、あるいは行政需要の拡大と財政事情を考慮すれば、市民生活、福祉優先の政策へその重点を移すべきであると考えますが、市長の見解を承りたいと思います。 その3として、この計画策定に当たっては、長期間にわたる見通しを必要とするばかりでなく、一たん策定されれば今後の市政執行の柱になり、諸施策の実施計画に直接関連することになると思います。また、策定に当たっての考え方、方法、市民参加への積極的な取り組みが求められるとすれば、トップのリーダーシップはきわめて重要な役割りを持つことになると思います。すでに都市問題調査会の設置も決定され、各分野からも市政に対する提言があろうと思いますし、これをどう反映させるのかという点でも、市長の強い指導性が求められると考えますが、どんな見解をお持ちになっておられるかお伺いをいたします。 第2に、計画に先立ち十分に情勢の把握、分析しなければならない前提条件というのがあると考えます。その点、どんな考え方を持っているのかお伺いをいたします。 まずその1つとして、これまでの開発計画がどのような役割りを持ち成果を上げたのか、また反省をしなければならないのは何か、それらの点について総括を試みることが必要であると思います。当然、そのためには現状分析をしっかりすべきであると思いますし、さらに政策的な課題との関連、また国・県においても、開発基本構想の手直しを含め新たに作成の意向のようですが、これらとの関連をどのように考えるのかお伺いをいたします。 その2として、いわき市の開発計画を考える場合、14市町村の合併という歴史的な経過を考えると、依然としてそのかきねがあり、格差問題か論じられ、住民感情も残っている今日、基本計画のなかに地域計画の項を起こし、現状分析、課題、地域別特殊性、今後の位置づけを指し示す必要性があろうと思いますが、考え方はどうかお伺いいたします。 その3として、シビルミニマムの設定をする考えがあるかどうかお伺いをいたします。シビルミニマムの設定の意義については、過去多くの議員からも提言されているし、私も12月議会に申し上げました。これに対して市長からも、これに賛同の意向が答弁されているわけであります。そこで今回は、時期的にも基本計画策定のときであり、同時に計画の基礎となる素材作成のための討議も行われているわけであります。この際、市民参加の形態を追及しつつシビルミニマムの設定を行うチャンスであります。市長の御見解をお伺いいたします。 第3に、市民参加と庁内参加の方法についてお伺いいたします。すでに、計画作成の基本的考え方のなかには、市民参加を求める方向性が確認され、また庁内プロジェクトチームの編成も決まっていると思いますが、幾つかの点でお伺いします。 今日、市民参加については多くの議論と、先進都市では試みがなされております。しかし、市民参加は「こうあるべきだ」という統一的な方向が出されているわけではなく、現在は模索の段階であります。したがって、先進都市に学びなからも、自治体の特性を生かし、いわゆるいわき方式の市民参加の方法を模索することが必要であろうと思います。 そこで、次の点についてお伺いいたします。まずその1つは、原案作成、企画指導に当たる庁内プロジェクトの編成についてどのようなメンバーを考えておられるのか、ということであります。また、このプロジェクトチームのなかに自由なテーマを与え、それを専門的に研究する研究グループなどの位置づけを与える考えはあるかどうか。 その2は、市民参加の形態をどう考えているかということであります。その1つに、地域別参加の問題でありますが、これまで支所単位に市政懇談会等を行ってきた経験もあり、これをさらに一歩前進させ、市民参加の組織、たとえば「市民会議」を設定するといったような考えはあるかどうか。2つは、階層別参加--これは青年、婦人、老人といった方々からの意見を聴取するといった考えがおありかどうか。3つは、職業別あるいは専門別といったらいいのかそれぞれの専門分野からの意見を聴取する考えがあるのかどうかお伺いをいたします。 最後に、全市民に対する広報・広聴との関係についてお伺いをいたします。 基本計画策定が全市民と何らかのかかわりを持ち、策定された段階では文字どおり、30万市民の開発計画として賛同そして協力を得るには、どうしても広報活動と密着な連係が必要であります。そこで、庁内プロジェクトとの関係はどうなっているのか、市民参加の窓口として広報・広聴をどう位置づけておられるかお伺いいたします。 次に、衛生行政についてお伺いいたします。 し尿・ごみ問題は、市民にとっても、行政にとっても、1日としてゆるがせにできないきわめて大切な仕事であり、課題であります。市長も就任以来、衛生行政については市民の要望や切実な声を受けて積極的に取り組まれてきたことに対し敬意を表します。また、議会の内外でも多くの議論を交わし、市民の要望にこたえるために努力してきたわけであります。特に、し尿処理問題については、過般の12月議会及び3月議会の討論を経て、一大改革に手をかけたわけであります。すなわち、人頭割り・定時収集への移行となったわけであります。 そこでお伺いするのは、この人頭割り・定時収集へ変わってこの2カ月間どうであったかということであります。大幅な制度改革であり、また市民と直接関係し、協力を求めなければならない仕事であるだけに、その困難性を十分に理解しつつも、市民からの苦情、要望、不安は直ちに解消すべく努力するのがわれわれの任務であるという観点に立って、以下具体的にお伺いをいたします。 その1は、この2カ月間具体的に実施に移したなかで、市民の反応と苦情、要望が寄せられていると思いますが、以下の点について端的にお伺いします。市民からの苦情は、すでに市長提案説明の際に、4・5月でおよそ 1,000件以上の件数が報告になりました。その内容はどんなものであり、特にそのなかで主な問題は何かについて、明らかにしていただきたいと思います。 また、そのなかで直ちに解決したもの、あるいは現状では解決が困難なものがあると思います。その事例があれば代表的なものを挙げていただきたいと思います。さらに、現状では解決できなくても、一定の改善を加えるなど、再検討すべきことはないのかどうかお伺いをいたします。 市民からの要望、苦情について以上のお答えをいただくわけでありますが、私が直接市民から訴えられた二、三の例がありますので、ここで明らかにし、同時に当局の考え方をお伺いいたします。 まずそのなかで、料金にかかわる問題であります。人頭割り料金については、幼児が1人分になるのはちょっと考えものではないかといった意見や、長い期間家庭を留守にする者にまで人数に含めるのは…、といった不満が残っています。しかし、大方は、従来の従量制料金よりも明確であり、評価していると思います。また料金そのものは4割値上げになっておりますけれども、なかには従来の従量制料金よりも安くなった、という市民が多いということもあります。 しかし、一方では幾つかの問題が提供されているわけであります。特殊便槽に対する加算料金については、市民の理解の不十分な点もあると思いますが、不満が出ていますし、またこの制度になっても従量制料金の対象になっている部分からは「高い」「こんな量になるはずがない」といった苦情を直接耳にします。その多くは業者地区に多いことについて、私なりの感じを持っているわけであります。 一例を挙げて指摘をしたいと思います。これは、平のある商売をしている従量制の対象者であります。4月には人頭割り4人分、5月には従量制でその約4倍の料金、そこで苦情を言ったら6月には人頭割りで、今度は5人分で料金徴収しているといったものがあるわけです。具体的には当局に報告し、実態調査を依頼してありますので、この点についてここで詳しく言及するのは避けますが、委員会で同僚議員から提起させていただきたいと存じます。 ただ、この種問題がこの1件だけであるとすれば大きな問題とは言えませんが、その他にもこのような形のトラブルについては、くみ取り業者または作業員がその場その場の判断で料金徴収がされているとなれば、きわめで問題であります。したがって、市民との間でトラブルが生じたり、判断しきれない場合は、その場でやりとりしないで、市当局や業者の責任ある形で対処をすべきであろうと考えます。その意味で、許可業者に対する行政指導を強め、今後も定期的な打ち合わせを行って、こうした事態が起きないようにすベきであると考えます。 次に、料金徴収の方法についても不満が出ています。一定の期間内での片押し定収のため、くみ取り当日留守にする家庭が多くあります。この料金の徴収は、近所の人にほとんど立てかえをしてもらっているという形が多いのであります。これもなかなかスムーズでなく、くみ取る人々も、立てかえする人も困っているようであります。何とかこの解決策がないのかどうかお伺いをいたします。 第2に、衛生行政と市民参加協力体制についてお伺いをいたします。 し尿くみ取りの改革に伴って、多くの市民から苦情や問い合わせがあったと報告されていますが、このなかでかなりの部分は、人頭割り・定時収集についての不十分な理解のためのものが多かったと思います。それは、4月に 900件、5月に5分の1と大幅に減少したことからも判断できるわけであります。また、一方では、直接市役所には電話や苦情がないまでも、いろいろな苦情や不満を持っている市民がいることを忘れてならないと思います。特に、市民の協力なしにはスムーズにいかない仕事だけによけいであります。市当局も、こうした予想の上に広報等その対策をしてきたことは承知していますが、その時期あるいは方法にもっと検討を加える必要があるかと考えます。 なぜこんなことを強調するかといえば、現在計画中のごみ対策についても同様の心配があるからです。市長の政治姿勢である、市民参加の市政の内容をより深めるためにも、今後市民がらの意見聴取、市民への広報、宣伝、参加、協力体制へもっと大胆に取り組むべきであると考えます。見解をお伺いいたします。 第3に、この際、処理施設等についてお伺いをいたしておきます。 今後し尿処理問題について、特に下水道事業との関連や、し尿処理施設がこのままの状態でいいのかどうか。その点について私どもなりに心配しておりますけれども、当局の考えをお聞かせいただきたいと思います。 第4に、産業廃築物の処理についてお伺いをいたします。 産廃処理体制については、県・市あるいは関連企業等が中心になって種々の検討が加えられているとお伺いしております。そのなかで気になることを耳にいたしましたので、この際お開きをするわけであります。それは、産廃処理のため常磐炭礦旧立て坑を利用し、投棄する計画があるかどうかということであります。すでに御承知のごとく、昭和47年鹿島立て坑への産廃投棄による爆発事故があり、2人が死亡、11名が負傷し、また近隣も爆風によって相当の被害を与えたことは記憶に新しいものであります。こうした経験にかんがみ、廃坑を利用しての産廃処理投棄はすべきでないと考えます。所見をお伺いいたします。 次に、観光行政について端的にお尋ねをいたします。 その第1は、海水浴場の環境保全についてであります。海水浴シーズンを間近に控え、すでに種々の準備が進められていると思いますが、昨年までの経験と実態から二、三の点について指摘し、対処方針をお伺いいたします。 勿来海水浴場には1シーズン中 100万人近い海水浴客でにぎわうわけであります。このごみし尿処理はきわめてずさんなものであります。これは、ひとり行政サイドだけの問題でなく、脱衣所等の営業者との関係が多くあると思いますが、その実態は、一部ではごみは海岸に埋めて処理し、し尿は大部分がくみ取りではなく、地下浸透させているというものであります。また公衆便所も数カ所設置をされておりますけれども、これだけでは使用に耐え得ない実態であります。 さらに、海水浴場の玄関口である勿来駅あるいは平駅についても同様であり、公衆便所が少なく、利用客に大変不便をかけておるわけであります。こうした実態を十分に考感し、ごみ・し尿処理に対する適切な対策と指導を強めるべきであると考えます。せめてシーズン中だけでも、臨時的に仮公衆便所等を設置するなり、対処する必要を感じております。考え方をお伺いいたします。 第2に、全国的にも貴重な白砂青松の海岸として有名になっている新舞子海岸は、いわき市の観光資源としても重要であり、この保護と活用についてお伺いをいたします。 まず、その前提としては、白砂青松をいかに守るかということは当然であります。この保護対策の上に立って、観光資源として総合的な開発の見通しと考え方をお聞かせ願いたいと思います。 すでに一部は野外音楽堂、遊歩道、キャンプ場、またはユースホステルや福祉センター等の宿泊設備も完備しつつありますが、今後海水浴場としての開発や、あるいは何千人か収容できる大型キャンプ場等市民の憩いの場所として、あるいは大衆的なレジャーの個所として企画検討を進める考えはないかどうかお伺いいたします。 第3に、いわき市の玄関口である平駅の観光案内についてお伺いします。 夏の観光シーズンになりますと、平駅を利用して乗降する観光客はかなりの数に上ると思いますが、現在の観光案内は、駅員や駅前駐在所等に殺到していると言われております。また、タクシー・バス利用にも、不案内の外来客に対する適切なサービスも求められているわけであります。そこで、平駅に総合案内所を市・国鉄・関係機関の協力で設置すべきであると考えますが、その見解を承りたいと思います。 次に、サイクリング道路の整備と、新たな指定と促進についてお伺いいたします。この問題については、午前中藁谷議員から質問があり、当局の回答がされておりますけれども、だぶる点があると思いますけれども、申し上げたいと思います。 最近、サイクリング人口は急激にふえております。当いわき市にも平、小名浜等5つの地区にクラブがあり1年間を通して活発な活動行事を行っています。市民サイクリングの実施や、1カ月1回の定期的なクラブラン・マップリーディンクの計画等も行われ、多くの参加者があります。さらに毎月2回、各地ではおはようサイクリングが行われ、老若男女約 300名は参加をしていると言われています。手短なレジャーとして、家族こぞっての日帰りサイクリングを楽しむ者、また健康づくりのためにサイクリングを愛好している者など、きわめて大衆的な楽しみとして普及しているのであります。ところが、この愛好者にとって、何といっても切実な問題として訴えているのは、道路という道路は車に占領され、サイクリング利用にはきわめて危険が伴うということ、また現在指定されているサイクリング道路は未整備・未舗装であり、不十分であります。 そこでお伺いするわけでありますが、県はさきに河川環境整備事業の1つとして、都市河川の堤防に遊歩道を建設し、市民の健康と快適な日常生活を営む上の一助にしようと、本年度から56年度までの5年計画で約2億円を見込み、県内22カ所にその個所づけをしたわけであります。いわきについては、新川、夏井川、矢田川、鮫川のそれぞれの左岸が指定をされております。またこの遊歩道は、サイクリング道路を兼ねたものと言われておりますが、この際いわき市としても、この事業と関連して、これまでのサイクリングの指定路線の整備、路線の延長、新たな事業の促進を図るべきでないかと考えます。特に新たな路線の指定や延長を考える場合、都市部から郊外に通じるルートという点に十分考慮すべきであると考えます。 先ほど藁谷議員の質問に対して、矢田川と藤原川のところの一部を指定整備をする、こういうお話しがございましたけれども、いま愛好者が望んでいるのは、やはりもっと長い距離--海岸線やそういうものと都市部を結ぶ、あるいはそれをもっと連絡するような形でのサイクリング道路というものが強く求められているものと思います。そういう意味で、ぜひ計画的なもっと大胆な計画をしていただきたいと考えるものであります。見解を承りたいと思います。 次に、国鉄駅自転車置き場の早期実施と、当面の対策についてお伺いいたします。 この問題は、すでに泉駅と草野駅で設置され、利用者はもとより、関係者から大変喜ばれております。さらに漸次5カ年計画によって置き場が整備されることになっていることも十分承知をしております。しかし、現状整備されていない駅の実態は御承知のとおりであります。このまま放置することは、駅周辺の人々、利用者の不便、心配、さらに盗難事故もあるやにお伺いをしております。 そこで1つは、この種問題については財政等の厳しさもあろうと思いますけれども、5カ年計画といわずに、繰り上げ早期実現を図るべきであると考えますが、どういう考えを持っておられるのかお伺いをしたいと思います。また、一定期間かかるとすれば、未整備の駅の当面の対策についてどのように考えておられるのか、現状のまま放置をしておくかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。 以上、私の質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手) △会議時間の延長 ○議長(橋本勲君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。市長。 ◎市長(田畑金光君) 〔登壇〕鈴木議員の御質問にお答えいたします。 第1は、いわき市総合計画と市民参加の問題について、いろいろの角度から御意見を交えての御質問かありました。すでに御存じのように、市といたしましても昭和46年度に策定いたしました、いわき市総合開発計画を見直しているわけであります。今回は「いわき市総合計画」という呼び名において計画策定を進めておるわけでございますが、このいわき市総合計画策定の基本方針につきましては、5月31日に庁議決定をいたしましたが、次の3点を計画策定の基本にして進めることにしているわけであります。 第1は、新計画の構成でございますが、これは基本構想、基本計画、実施計画、そういうようなことでまず計画の構成をいたしたいと思っております。第2は、この計画の進めるに当たりましては、庁内の検討組織を設置することにいたしまして、十分庁内で計画の案についての構想を進めてまいりたいと考えております。第3の、大きな問題といたしましては、いわゆる市民参加の方式によりまして、今度の計画をつくるに当たりましては、当初から市民の参加に基づいて市民の意思をくんで、行政の上から計画を策定して市民に押しつけるという態度ではなくして、策定の過程において、当初から市民の意見を聞きながら最終的な新しいいわきの計画をつくってみたい--これが基本的な姿勢であるわけであります。 この計画を進めるに当たりまして、わがいわき市のあるべきビジョンはどうか、この問題が一番大事なことでございます。このビジョン作成については、庁内参加、市民参加を経て、これから具体的な内容を練り上げてビジョンを作成するわけでありますが、まだどのようなビジョンであるか、どういうビジョンを目指して進めるか、そこまで煮詰めているわけでございませんが、とにかく、このいわきのすばらしい自然の環境というものをあくまでも守りながら、これとの調和のとれた人間味豊かな社会の創造、こういうことで取り組んでまいりたいと考えておるわけであります。したがいまして、鈴木議員からお話しがありましたように、今後の計画策定に当たりましては、第1次計画に見られましたような産業開発優先という考えではなくして、市民福祉の優先を大前提において進めてまいりたいと考えておるわけであります。 すでに市といたしましても、昭和50年5月に、福島高専土木工学科土地問題研究室と共同作業をいたしまして、市民の意識調査をいたしたわけでございますが、その市民の意識調査の結果を見ましても、経済成長か生活環境かのいずれを優先にするか、こういう問題提起に対しましては、「生活環境をもっと重点に置いて考えるべきだ」という意見が62.2%、「経済成長に重点を置いて考えるべきだ」という意見が26.9%、開発か自然保護かという点についての調査によりますると、やはり「自然保護に重点を置くべきだ」という考え方が50.3%、「開発優先」の考え方が32.1%というようになっておりますが、このような市民の意識をもとにいたしまして取り組んでいくべきであると考えておるわけであります。 ただ、すでに計画され、実施に移されておる工業団地の造成等につきましては、地域住民の就労機会への増大、所得水準の向上を図るということ、これがまた市民の福祉にもつながる要因でございますので、このような計画につきましてもしマイナス要因があるとするならば、そのマイナス要因には十分留意しながら全体として調和のとれた計画の策定を進めてまいりたいこういう考え方であります。したがいまして、新しい計画策定に当たりましては、市長のトップリーダーとしての役割りは御指摘のとおり大切でありますから、後ほど申し上げますが、いわき市総合計画策定会議について市長は、その主宰者として十分リーダーショプをとっていくべきであると考えておるわけでありまして、そういう心構えで進むことを御了承願いたいと考えております。 同時に、今回の新しい計画策定に当たりましては、なにしろすべての計画がそうでございますが、基礎的な資料の整備であるとか、現状の分析であるとか、それが一番大事なことでございまして、その現状分析の基礎的な項目は、言うならば人口構造の問題であり、産業構造の問題であり、地域の構造の問題などであると考えておるわけでございまして、国・県いわゆる上位計画はいまそれぞれの段階で進められておりますが、この上位計画との斉合性もまたゆるがせにできない問題であると思うわけであります。ただ今回の計画策定に当たりましては、上位計画に無条件に追随するという姿勢ではなくして、市の独自性を十分生かし得る、やはりいわきの町はいわきの顔があるわけでありますから、いわきの個性にふさわしい町づくりの計画を策定することが当然のことだ、こう考えておるわけであります。 また、お話しがございましたように、いわき市は合併による町だという歴史的な要因、そしてまたそれぞれの地域にはそれぞれの特色があるわけでありますから、この地域性というものを無視して画一的な計画をつくるということ自体が、これは現実ばなれが免れないわけでありますので、地城計画についても、基本計画をつくるその段階でそのような特性を十分生かしながら計画のなかに反映させたいと考えておるわけであります。 シビルミニマムについての問題は、要すれば計画化によるシビルミニマムの基準を具体化するということであるわけでございますから、この問題については言うはやすくして、実態をとらえる場合になかなか困難な面もあるわけでございますが、しかし対象行政範囲の点などいろいろ分析いたしまして一定の目標を定めるということが当然大事なことであろうと考えておるわけであります。 たとえば、緑の育成の点1つをとらえてみても、昭和51年度市街化区域のなかの緑被率は10.8%でございますが、昭和60年度にはこれを20%にしようというわけで、「いわき市緑の保護及び緑の育成に関する条例」の趣旨に基づいて緑化運動を進めておるわけでありますし、また、教育施設を例にとりますならば、屋内体育館の保有率は、昭和52年度末小学校が90%、中学校が92.5%でございますから、昭和55年には、小学校も中学校も屋内体育館は100 %にもっていきたい。やはり、生活環境の整備や文化施設、教育施設の整備には一定の基準を設けて、できるだけその基準に応じて財政の措置を講ずることが、計画をして生きたものたらしめるゆえんでありますから、そういう意味におけるシビルミニマムの設定は、できるものは最大限努力していきたいと考えておるわけであります。 いずれにいたしましても、この種問題は先ほど申し上げましたように、ある市がこうだからわが市もこうでなきゃならん、ということではなく、わがいわき市はわがいわき市の特色のもとで、独自性を常に追求しながら今後の計画の策定に取り組んでいこう、こう考えておるわけでございます。 さらに、今後の計画策定に当たりまして、まず、庁内参加であるとか、市民参加であるとかという問題が大事なことでございますが、先ほど申し上げましたように「いわき市総合計画策定会議設置要綱」なるものを6月1日に施行いたしたわけであります。この要綱に基づきまして、市長を主宰者として助役、収入役、市長事務部局の部長、教育長、水道事業管理者、消防長、支所長によって構成することにいたしております。さらに、そのもとに「いわき市総合計画策定委員会」を設置いたします。それは市長事務部局の各課長、関係行政委員会の課長、支所の広聴活動課長によって構成する予定であります。さらに、そのもとに「いわき市総合計画策定委員会幹事会」なるものを置きまして、これは市長の指名により構成いたしますが、主幹課長補佐クラスを予定しておるわけであります。 このようにして、原案作成が広く庁内の意向を反映するつもりでおりまして、このたびに企画開発部の企画課と幹事会との協力で一定の素案をつくり、下から上に上げていくという考えであります。また、仕事の関連を忘れてはならん問題でございまするから、策定会議から委員会・幹事会すべての構成に支所の職員を含めることにしておるわけであります。かくして、1つの素案をつくるわけでありますが、またその過程におきまして、地元の専門家の参加を得るために顧問を置きまして、たとえば、福島高専の教授であるとか、あるいは高校の教師の皆さん等で専門的な分野のエキスパートに参加願いまして、これらの皆さんの御意見を承るような仕組みにしてまいりたい、こう考えておるわけであります。 半面、市民参加の問題でございますが、市民参加の組織等につきましては御存じのように、いま「いわき市総合開発審議会設置条例」がございますが、これが最終的な計画策定の段階における諮問機関であります。この機関の運用は当然でありますが、でき得るならば市政教室ごときものを設置したいと考えております。現在のところ 100名ぐらいを予定しておりますが、そのなかに、お話しがありましたように各層別参加の問題、青年、婦人、老人の問題、あるいは専門別参加の問題等それぞれの人方に加わっていただく。そしてまた、現在まで市政懇談会なるものを持ってまいりましたが、単に陳情を聞くような運営ではなくして、「これからのいわきの計画についてこのような考え方でいきたいが、この地域についてはこういう問題を中心に取り組んでまいりたいが、いかがであろうか」という形の意見を聞くような市民懇談会の活用。さらに都市問題調査会等にも階層別参加を得て適材適所による人材をできるだけ網羅しての都市問題調査会の活用。さらに文化団体等のような各種団体の御意見等も計画策定の過程のなかでお聞きをすると、このような形をそれぞれとることによって、市民参加の実を上げてまいりたいと考えておるわけであります。 このような考え方でまいりますが、どこまでもコンクリートされた案を提示し、これを承認してもらうような形式的な審議の方法ではなく、時間はかかるかもしれませんが、庁内において作成いたしました第1素案というものを住民にお示しし、これをたたき台に第2素案をつくっていく考え方で、市民参加の実を上げてまいりたいと考えておりますので、御了承を賜りたいと思うわけであります。 なお、このような計画策定の過程におきましては、やはり、市民に広く理解を求めることが大事でございますので、広聴広報活動の重要性は言うまでもございません。そこで、庁内に設ける各種機関には、支所の広聴活動課の職員を参加せしめることにいたしておるわけであります。また既存の市政懇談会の運用につきましても、先ほど申し上げましたように従来の陳情的な運用から、町づくりに対する市民の建設的な意見を求める、という方向で運用を進めてまいりたいと考えております。以上で御了承願いたいと思います。 衛生行政についていろいろ御質問がございましたが、これらの問題につきましては、制度切りかえ後の推移と、あるいはまた市民のもろもろの苦情の内容について、市がどう対応できるかという問題については、正確を期するという意味において担当部長から答弁をさせることにいたしたいと思いますので、御了承を願いたいと考えておるわけであります。 いずれにいたしましても、この次はごみ処理の問題が、来年度の重要課題としで取り組まなければならん問題として登場してまいりますが、私も鈴木議員から御指摘にありましたように今後衛生行政を進める上におきまして忘れてならんことは、市民にもっと行政の考え方を理解していただくことが大切なことである、こう考えておるわけでございまして、1つの方針を決めて、「いつ幾日からやります」というような押しつけ的なやり方は反省いたしまして、たとえばモデル地城を設定して、まず新しい制度に移行する場合についてはモデル地域において実験してみて、そしていろいろメリットの面、デメリットの面も検討してみて、よりよき案のもとで、新しい制度の措置を講ずることがこれからの行政のわきまえるべき姿勢である、こう考えておりますので御意見は十分今後生かしてまいりたいと考えておるわけであります。 次に、産業廃棄物の問題についていろいろ御質問がございましたが、この産業廃棄物につきましては、御存じのように昭和48年9月、日本化成小名浜工場ほか21社をもって「いわき地区産業廃棄物処理対策協議会」を設立いたしまして、県・市及び商工会議所も特別会員として参加、産業廃棄物の適正処理とその処理施設に関する調査研究、質、量などの調査を行い、これらの調査結果に基づき、昭和50年1月に企業の代表から地方公共団体と企業の共同出資による処理事業を主体とした公社設立について、県及び市に対し陳情を重ねてまいりましたが昭和51年11月「財団法人福島県産業廃棄物広域処理公社設立準備委員会」--仮称でありますが--の設立により、発展的に協議会を解散したわけでございます。 県といたしましても、県下全般にわたる産廃公社という構想を持っているわけでございますが、急を要するのはいわき地区でございますので、このいわき地区については、とにかく年度いっぱいをめどに産廃公社設立の方向にいま動いているわけでございまして、市といたしましても公社設立については積極的に取り組んでおるわけであります。 ただ、常磐炭礦の廃立て坑の利用の問題についていろいろ心配されたわけでございますが、お話しがありましたように爆発の問題、地下水の問題、水質・温泉等の安全性・環境問題等いろいろな重要な問題があるわけでございますから、権威ある第三者による安全性の立証確認の上、設立準備委員会のなかで十分検討することにいたしておるわけであります。したがって、廃立て坑の利用については、「これを利用する」などという結論に至っておるわけではございませんので、いま申し上げたいろいろな角度からの検討を待って結論を出すことになっておりますので御了承願いたいと思います。 次に、観光行政の問題でございますが、お話しのように海水浴シーズンが、7月16日から始まるわけでございます。いわき市の海岸には東京、北関東、県内等から多数の海水浴客がくるわけでありますが、便所とか公衆衛生上の施設が間に合っていないということは、御指摘のとおりでございまして、この点については駅長とか水鉄の関係者に便所の増設等について今日まで折衝してきておるわけであります。 また、市としましては昨年、ビーチクリーナーを 360万円で買いまして、きれいな海の清掃作業をやっておるわけでございます。また脱衣場組合や売店業者から排出されるごみについては、業者の共同責任で処理するより地元の観光協会等と話し合いをいたしまして、自発的な地域環境の衛生保持に指導いたしておるわけでございまして、この点はことしも従来の経験を生かしながらさらに努力してまいりたいと考えておるわけであります。 次に、新舞子海岸の観光地としての開発の問題についてお話しがございましたが、新舞子浜防潮保安林は、営林署と福島県が管理する保安林からなっておりまして、直接的な市の管理下にないわけであります。しかしながら、福息県立自然公園磐城新舞子浜海岸として県立公園の指定を受け、お話しのように白砂青松の美しい観光資源の土地でございますから、市といたしましても十二分にこの整備については意を用いたいと考えておるわけであります。ただ、このなかには、原則的には立ち入り禁止の地域もあり、1本たりとも伐採が許可されないというところもありますので、県においても51年度から5年計画で、海岸防災林造成事業として松の植林をやり、防潮林造成を行いながら自然環境整備を図っておるわけであります。 また、林野庁においても、前橋営林局を事業実施主体として新舞子自然休養林整備事業を昭和52年度に実施すべく、新舞子浜に自然環境を破壊しないことを前提として遊歩道、あずま屋等の整備を行うため、目下整備内容等について検討中であるわけであります。これらの決定後、展望台及び屋外音楽堂等既設の施設と、今回の整備予定の施設を総合検討の上、調和のとれた観光資源の整備を図るよう市としても努力してまいりたいと考えておるわけであります。 同時に、私は新舞子の観光資源の開発のためには、どうしてもあの道路の舗装が大事であると考えておるわけでありまして、砂じん公害によりましてきれいな松がだんだん枯れておるのもごらんのとおりでございます。しかし、道路の舗装は市の責任でやらなければならん仕事でございますので、毎年仕事を進めておるわけでありますが、私といたしましては、このような道路であるとか、あるいはこどもの村に行く道路であるとか、勿来の関の道路であるとか、こういう観光地域の道路は最優先的に思い切って舗装の予算を投資すべきである、こういう考え方で指示いたしておりますので、ひとつ御了承賜りたいと考えております。 新舞子の浜は海水浴には不適であります。すりばち型海岸と言われるように、非常に危険でございまして、ここは人命尊重という立場から海水浴は奨励できるところではない、ということを十分理解しておくことが必要であろう、こう考えておるわけであります。 平駅前の観光案内板等についてお話しがありましたが、表玄関である平駅中央入口に、現在観光案内板を設置してありますが、構内に観光案内所がなく観光客に不便を与えておることはお話しのとおりで、まことに残念です。 観光案内所設置については、水戸鉄道管理局、平駅長と折衝してまいったわけでございますが、駅構内が狭いということでなかなか同意が得られないし、適当な場所がないわけであります。しかし、年々増加する観光客の便を図るべく観光関係機関と協議し、観光案内所を早期開所するようなお一層努力してまいるつもりでございます。 最後に、国鉄駅自転車置き場の早期実現の問題についてお話しがございましたが、国鉄駅前自転車置き場というものは、申すまでもなく、駅に接近していることが第一条件であるわけであります。御存じのように国鉄の協力によりまして、51年度事業として泉駅前が4月に、草野駅前が5月にオープンいたしましたし、6月中には常磐ライオンズクラブの好意により、湯本駅前自転車置き場を開設する予定であります。52年度は小川郷駅前と四倉駅前に設置するため、目下国鉄と鋭意話を進めておるわけであります。 私は、駅前の自転車置き場の整備等については、お話しのありましたように5年計画などという長い年月をかけて整備するのではなくして、国鉄との話し合いがつくならば早急に、土地の条件の整ったところは整備するつもりでおりますので、これは挙げて国鉄の用地の対策関係に実は問題があるわけでございますので、国鉄と鋭意話し合いを進めまして、土地が確保できる可能な地域については自転車置き場整備を急ぎますので、御了承願いたいと思います。 ○議長(橋本勲君) 教育長。 ◎教育長(松本久君) 〔登壇〕遊歩道関係に関連いたしまして、サイクリングロードの件につきましての御質問でございましたが、16番藁谷議員にお答えした内容と同等でございます。ただ河川敷堤防についてですが、現在行われております家族サイクリング等につきましては、最も軽快にして安全なコースと考えまして、藤原川、矢田川コースを計画中であります。なおこの際も、この2コースだけの問題ではなくて、それに至る都市からの道路といたしまして、小名浜野球場入口道路の整備、なお引き続いてその土地にあります遊園地、あるいは史跡等都市周辺道路に面しますところのサイクリングコース設定に努力してまいりたい。 将来につきましては遠大な計画がございますが、いずれもいわき市全域を網羅したサイクリング並びにハイキング、史跡名所、探訪、遊歩道等の絡みのなかで、これらのサイクリングロードの舗装整備を実施してまいりたい、こういう考えでございますので御了承願います。 ○議長(橋本勲君) 衛生部長。 ◎衛生部長(真名田重喜君) 〔登壇〕19番鈴木議員の御質問中、市長の答弁に補足して申し上げます。 人頭制の定時収集以降にかかわる苦情等の問題でございますが、まず内容を申し上げますと、4月・5月を含めまして、 1,090件でございます。この内容は「定時収集制度そのものに反対」というようなことが54件、「定時収集日にきてくれない」という不満が 105件、「くみ取り料金が値上がりになって不満」というのが 245件、「特殊便槽の 200円加算料金に不満」というのが 102件、「人頭制世帯が従量制料金で取られた」というのが63件、「毎月1回のくみ取りは高上がりになる」という不満166 件、「子供(赤ちゃん)の1人分料金は高い」が31件「大雨により冠水した便槽のくみ取り料を軽減せよ」というのが38件、「作業員の態度が悪い」が42件、「異動しているが減員されていない」が25件、「くみ取り券に対する不満」が26件、「その他、照会や意見等」が 193件でございます。締めまして2カ月で 1,090件でございますが、この苦情の内容を精査いたしまして、早期解決できるものは解決するために先ほど市長が申し上げましたような対策を進めておるわけであります。 現在、解決の見通しのつくものについてを要約しますと、一般家庭の便槽が小さくて、月2回以上くみ取りを必要とする世帯について、これが従来申し込み従量制でありましたが、これを定時収集人頭制へ組みかえという問題。もう1つは、災害における冠水便槽のくみ取り料金の減免、この2点でございます。その他の点につきましては引き続き、この対策協議運営会を継続いたしまして問題の詰めをし、可能なものは今後対処してまいりたいと考えております。 また、いろいろと例を挙げられましての問題で料金の不満問題がありましたが、特に許可業者関係にかかわる件につきましては私ども再三、従来もその趣旨の徹底と指導を強化してまいりましたが、今後もなお一層強化指導をしてまいりたいということでございます。 二、三の例を最後に申し上げますが、幼児とか、あるいは特殊便槽に対する不満等につきましては、幼児は一応排出量は少量でございますが、現在の考え方ではこの排出量、つまりオムツの処理については相当の量になるという問題が残っております。それから特便については40リットルないしは60リットルの水をその時点で使用することを基本にしての料金でございまして、これらはいずれも基本的事項と相なっております。したがいまして、今後さらにこれはどうあるべきか、何とか方法があるか等々については継続して検討したい。 それから、長い間留守をしておる家庭で料金を取られている、という不満の関係であります。こういう点も、しおり、その他で趣旨の徹底を図っておりますが、現在の取り扱いといたしましてはいろいろと理由がありますが、2カ月以上留守される場合については届出をいただきまして、これを免除しております。さらに留守家族の料金徴収の問題でありますが、この点は本当にむずかしい問題でございまして、継続して十分検討させていただきたい、かように考えております。 さらに、平における1つの例を御指摘いただきましたが、この点につきましては、いわゆる人頭制と従量制の区分取り扱い関係の相違で市民とのトラブルがあったわけでありますが、その後市の方でもなかに入って調整をいたしまして、現時点においてはすっきりとして市民の方の理解も得まして、体制が確立いたしましたことを御報告を申し上げます。 次に、御質問のし尿処理施設にかかわる問題でございますが、し尿処理施設の整備強化という関係につきましては、常磐し尿処理場と磐城下水道終末処理場等は施設が老朽化しておりますことと、周辺環境の問題等もございますが、今後の下水道の普及及びし尿処理量に対応した施設の整備改善が近い将来の課題となってまいりますので、具体的な検討を進めてまいりたい。 なお、平下水道終末処理場につきましては、二系列化に伴いまして74キロリットル容量の消化槽を今年度中に完成し供用開始をする、こういう状況になっておりますので御了承願います。 -------------------------------- △延会 ○議長(橋本勲君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ延会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。           〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(橋本勲君) 御異議なしと認め、延会することに決しました。明日は午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日はこれにて延会いたします。              午後4時1分 延会             -----------...